WindowsのExcelにはEndモードというキー操作がある。キーボードのEndキーを1回押すとステータスバーに「END」と表示される。この状態がEndモードだ。Endモードで矢印キーを押すと、アクティブセルはデータが連続して入力されている範囲の端に移動する。離れたセルを選択するときに便利だ。

 また、EndモードでHomeキーを押すと、アクティブセルは最終セルにジャンプする。最終セルとは、ワークシート上で使用している右下セルのこと。ところが、この最終セルをExcelがたまに勘違いしてしまう。

 次のような実験をしてみよう。新しいワークシートのC3セルに「123」と入力する。現在使用しているセルで最も右下に位置するのは、もちろんC3セルだ。EndモードでHomeキーを押すとアクティブセルがC3セルに移動する(図1)。今度はE4セルに「123」と入力する。最終セルはE4セルになったので、EndモードでジャンプするセルはE4セルになる(図2)。では、E4セルをDeleteキーで削除してみよう。今度は、最終セルがC3セルのはずだが、Endモードでアクティブセルが移動するのは、あいかわらずE4セルのままだ(図3)。

 これは、セルのデータを削除しても、Excelの内部では最後に保存された最終データの位置が記憶されているからだ。最終データの位置を正常に戻すには、そのブックを上書き保存すればいい。Excelはブックを上書き保存するときに、もう一度使用されているセルの状況を調べて最終セルの位置を正しく設定し直すのだ。

図1 Endモードでは、現在使用している最終セルにジャンプできる

図2 E4セルが、現在使用されている最も右下のセルになる

図3 E4セルを削除しても、E4セルが最終セルという情報は残っている