パソコンの達人たちは仕事が速い。関数や罫線を使った表でも、見る見る間に完成させてしまう。羨望のまなざしを送るのもいいが、その秘密を知りたいのなら彼らの手元に注目しよう。数値や文字などのデータ入力以外にもキーボードを操作しているに違いない。

 例えばExcelでセルをコピーするには通常は次のようにする。(1)コピー元セルを選択する。(2)「編集」メニューをクリックする。(3)「コピー」をクリックする。(4)コピー先セルを選択する。(5)「編集」メニューをクリックする。(6)「貼り付け」をクリックする。

 ところが、(3)と(4)でクリップボードにコピーする操作は、実はCtrl+Cというショートカット(近道)キーでも実現できる。これは、Ctrlキーを押しながらCキーを押す操作だ。同様に(5)と(6)の貼り付け操作もCtrl+Vに割り当てられている。ツールバーに用意されているボタンを利用する手もあるが、データ入力中で手がキーボードにある場合はショートカットキーを使った方が早いだろう。ちなみに、Ctrl+CのコピーとCtrl+Vの貼り付けは、Windowsの標準的なショートカットキーなので、他のアプリケーションでも使えるケースが多い。

図1 メニューの脇にショートカットキーが記されている

 他にも便利なショートカットキーがたくさんある。Ctrl+W(Mac版はCommandキー+W)はアクティブなブックを閉じる機能が割り当てられているし、Ctrl+!ではセル位置に3桁の桁区切りを挿入する。Ctrl+Dは下方向に、Ctrl+Rは右方向にセルをコピーする働きを持つ。DownのDとRightのRと覚えればいいだろう。

 下に便利なショートカットキーをいくつか紹介する。これらのショートカットキーとショートカットメニューをマスターすれば、Excelの達人も夢ではない。

 なお、キーボードばかりでなく、マウス操作に割り当てられているショートカットもある。

機能
Excel 97(Windows版の場合)
Excel 98(Mac版)の場合
元に戻す
Ctrl+Z
Command+Z
検索ダイアログを開く
Ctrl+F
Command+F
置換ダイアログを開く
Ctrl+H
Command+H
直前の動作の繰り返し
[F4]
Command+Y
書式設定ダイアログを開く
Ctrl+1(テンキー不可)
Command+1(テンキー不可)
行の選択
Shift+スペース
Shift+スペース[*]
列の選択
Ctrl+スペース
Ctrl+スペース[*]
セルなどの挿入
Ctrl++(プラス)
Ctrl++(プラス)
セルなどの削除
Ctrl+-(マイナス)
罫線の削除
Ctrl+Shift+_(アンダースコア)
Command+Option+_(アンダースコア)
行の非表示
Ctrl+9(テンキー不可)
Ctrl+9(テンキー不可)[*]
列の非表示
Ctrl+0(テンキー不可)
Ctrl+0(テンキー不可)[*]
非表示行の再表示
Ctrl+Shift+9(テンキー不可)
Ctrl+Shift+9(テンキー不可)[*]
非表示列の再表示
Ctrl+Shift+0(テンキー不可)
Ctrl+Shift+0(テンキー不可)[*]
名前を付けて保存
[F12]
[F12]
上書き保存
Shift+[F12]
Shift+[F12]
開く
Ctrl+[F12]
Ctrl+[F12]
[*]は日本語IMEを切り離した状態で操作