Excelを使って時給の管理をしている人は多いだろう。日付や時間はシリアル値という特別な値で管理されているので、難しいことを考えずに「退勤時間-出勤時間」と引き算をすれば、その日の勤務時間が求められる。こうした時間データには、他の数値データと同じように合計を算出するSUM関数が使えるので、簡単に合計時間を求めることができる。ただし、合計時間を表示するセル(下図ではC5セル)で24時間以上の時間を表示できるように設定しておくこと。

 さて、あとは計算した合計時間に時給をかけ算するだけ…と、ここにきて問題に遭遇する。時間と数値を単純に計算すると、どうも変な結果になってしまう。

図1 単に時間と単価を計算すると結果がおかしい

 これは時間をシリアル値という数値で管理しているのが原因。試しに時間が表示されているセルの表示形式を「G/標準」に変更してみよう。整数部と小数部からなる意味不明な数値が表示されるはずだ。これがシリアル値の正体である。

 シリアル値の仕組みはともかく、「25:00」という時間から「25」という数値を取り出すには、「25:00」を1時間で割ってやればいい。給料を計算するセルに「=(C5/"1:00")*C6」と入力する。割り算する時間は1時間とは限らない。「=C5/"0:30"」とすれば「25:00」を30単位にした「50」となり、「=C5/"2:00"」なら「12.5」が返る。時間の計算は自由自在だ。

図2 今度はきちんと計算できた