Excelのワークシートは広い。65536行×256列のワークシートを一望できるディスプレイなど存在しないだろう。ワークシートのうち、ディスプレイの画面に表示できる範囲は限られているので、少し大きな表を作り始めると、肝心な部分がスクロールして見えなくなってしまうこともある。そんなときは、舌打ちをしながらスクロールバーをドラッグするのではなく、ワークシートの賢い表示方法を覚えよう。

 まずは「ウインドウ枠の固定」。ワークシートの一部をスクロールさせない機能だ。設定した場所は常に表示されているので、大きな表のタイトル部分などを指定しておくといいだろう。ウインドウ枠を固定するには、固定したい位置にアクティブセルを移動する。このとき、アクティブセルの上と左が固定されるので注意しよう。続いて「ウインドウ」→「ウインドウ枠の固定」を実行する。これでタイトル行が非スクロール領域に設定できた。固定したウインドウ枠を解除するには、「ウインドウ」→「ウインドウ枠の固定解除」を実行すればよい。

図1 スクロールしてもタイトル行は常に表示される

 次のテクニックは「ウインドウの分割」。ワークシートが表示されているウインドウに分割バーを挿入し、分割されたウインドウを別々に操作できるようにする機能だ。たとえば、1行目のセルを見ながら100行目のセルにデータを入力するときなどに向いている。ウインドウの分割は、縦方向と横方向にそれぞれ2分割ずつ、計4分割までしかできない。

 ウインドウ枠を固定するには、スクロールバーの端にある分割ボックスをドラッグして分割バーを挿入する。分割ボックスや分割バーをダブルクリックすると手軽に分割と解除を行える。

図2 ウインドウを4分割して表示

 最後は秘技「新しいウインドウ」だ。ウインドウ枠の固定も、ウインドウの分割も同じシートを表示することしかできない。Sheet2を見ながらSheet1に入力したいときにはどちらも使えない。そんなときは「新しいウインドウ」機能の出番だ。

 「ウインドウ」→「新しいウインドウを開く」を実行すると、現在編集しているブックの複製がもう1つ開く。そこで「ウインドウ」→「整列」で「ウインドウ整列」ダイアログボックスを開き、編集中のブックとその複製を並べて表示するよう指定する。あとは、複製のブックでSheet2を開き、元のブックのSheet1にデータを入力するだけだ。

図3 同じブックにある別のシートが参照できる