2足歩行ロボットの格闘技大会ROBO-ONEが2008年3月22~23日、後楽園ホールで開催された。今回で第13回目となる本大会ではロボットの大型化が進み、重量が5kg程度、高さは50cmを超える機体も見られた。主流は重量2~3kgの中型機だが、重量級ロボットが加わることで、より力強くダイナミックな格闘戦が楽しめるようになってきた。

 今回のエントリー数は112台。1日目の予選では、各参加者がステージ上でロボットのデモンストレーションを実演する。そのデモの内容を審査員が見て、点数を付けるのだ。

 規定演技はROBO-ONEのテーマソングに合わせてダンスを踊ること。ダンスの中に「180度の回転ジャンプ」と「ロンダート(側転をしながら体の軸を回転させて着地する体操の技)」という2種類の動作を入れると高得点となる。予選で高得点を獲得した機体が2日目の格闘トーナメントに進む。

 デモ実演の前には、参加資格審査として、傾斜のついたスロープを2足歩行で転倒せずに通り抜けなくてはいけない。40秒間に2回挑戦できるが、失敗したら、その場で失格となる。スロープの高さはわずか1cmと低いので、それほど難しくはないと思われたが、実際にはリタイアするロボットが続出した。

 原因の一つはスロープ底面に貼ってあるゴムシート。滑らかな板の上で歩く場合は、少しくらい足裏が引っかかっても、余分な力を逃がすことができる。ところが床がゴムの場合は足裏が滑らず、バランスを崩して転びやすいのだ。結局、参加資格審査をクリアーできたのは39台だけだった。

 デモ実演に進んだロボットの中には、見事なジャンプやロンダートを決める機体もあり、会場からは驚きの声が上がった。音楽とピッタリ同期させながらダンスを踊ったOmniZero.5(前田武志氏 作成)や連続ロンダートを決めたYGIII.旋風丸リベンジ(Dr.GIY・不知火軍団 作成)が高得点を獲得した。

 2日目の本選は、1日目の予選を勝ち抜いた21台に、日本各地のロボット大会で優勝した8台を加えた格闘競技のトーナメント戦となった。トーナメントは重量3kg以下の軽量級16台と、それ以上の重量級13台に分かれた。

 軽量級の優勝は韓国から参加のTaekwon-V(Jeon Young Su. Taekwon-V作成)。決勝戦は第12回大会で軽量級優勝のガルー(くまま氏作成)と対戦した。互いに素早い動きで攻撃を出し合ったが勝負が付かず、延長戦に突入。その後、Taekwon-Vがスキを見てうまく攻撃を決めた。

 重量級の優勝はグレートキングカイザー(マルファミリー作成)。第10回大会で優勝経験もある同チームは、身長43cmと大型化した新型の機体で参戦。決勝戦では85cm(頭部を取り外した状態では61cm)、重量は4.92kgとさらに大きなファイブ(ロボットフォース/佐々機 作成)と対戦した。グレートキングカイザーは相手の大きさに圧倒されることもなく、落ち着いて相手のダウンを誘った。最後の軽量級と重量級の優勝機による対戦でも、パンチの重さで勝るグレートキングカイザーが勝利した。

 今後は7月5~6日に東京・お台場でロボットによるサッカー大会を実施するほか、10月11~12日には神奈川県・横浜で第14回大会の開催を予定している。

予選のデモ実演から、OmniZero.5の音楽と同期したダンスとYGIII.旋風丸リベンジの連続ロンダート
本選の格闘競技から、軽量級・重量級の決勝戦と優勝機同士の対戦
■変更履歴
記事掲載当初、今後開催されるサッカー大会は4月5~6日としていましたが、正しくは7月5~6日でした。本文は修正済みです。[2008/03/25 11:30]