任天堂、NTT東日本、NTT西日本は2007年11月28日、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」と、NTTの光ファイバーを使ったインターネット接続サービス「フレッツ光」の接続推進に向けて協業すると発表した。専用のサポートセンターを開設するほか、フレッツ光を新規に申し込んだユーザーに対し、回線工事から機器セットアップまでをセットで提供する。Wiiを通じたゲームソフトのダウンロードサービスを推進したい任天堂と、利用シーンの拡大によりフレッツ光のユーザー獲得を進めたいNTT東西の思惑が一致した形だ。

 ユーザーから電話で問い合わせを受け付ける「Wii×フレッツ接続サポートセンター」は、NTT東日本、西日本のそれぞれのエリア内に1カ所ずつ設置。開設は2007年11月29日。フレッツ光とWiiとの接続に関する情報提供を行う。

 新規にフレッツ光を申し込むユーザーに対しては、「簡単!便利!Wii接続おまかせパック」を2007年11月29日から用意。無線接続に必要な機器と、家庭に訪問する接続設定サービス、Wiiで有料ゲームをダウンロード購入する際の決済に使われる「Wiiポイント」を1000ポイント分(1ポイント=1円相当)、セットにしたものだ。接続設定サービスが不要なユーザーには、Wiiポイントをさらに1000ポイント分提供する。

 簡単!便利!Wii接続おまかせパックの料金は利用する無線機器によって異なり、例えば無線LANルーター(バッファロー製「AirStation WHR-G」)を利用する場合は8800円。無線LANアクセスポイント(バッファロー製「Wi-Fi Gamers」)を利用する場合は6800円などとなっている。これらは、無線接続機器の実売価格とほぼ同等の価格だ。なお、既に無線LANルーターを持っているユーザーが新規にフレッツ光を申し込む場合は、このパックを無料で利用できる。

 任天堂の専務営業本部長である波多野信治氏によれば、Wiiのインターネット接続率は約40%にとどまるという。既に家庭へのブロードバンド普及率が50%を超えていることを考えれば、まだまだ伸ばせる余地はある。そのためには「ソフトやサービスの充実だけでなく、接続のための環境整備が不可欠」(波多野氏)。具体的な検討を始めようとしていたところに、NTT東西から協業についての打診があったという。

 NTT東日本の古賀哲夫副社長は「米国では(日本ほどブロードバンドが普及していないのに)、YouTubeやGoogle Earthといったサービスが生まれている。日本は環境が整っているにもかかわらず、その上でプレイするサービスが出てこないことを最も残念に思っていた」と話す。そんな中で期待を託したのが、ゲームの世界で大成功したWii。「パソコンがない環境でも光ファイバーの接続サービスを利用してくれる時代が来つつあるのではないか」(古賀氏)という。