中国検索広告市場におけるベンダー別シェアは、最新の統計によると、トップが百度(57.6%)で、以下グーグル中国(21.0%)、ヤフー中国(12.5%)となっている(易観国際調べ。2007年上半期統計)。百度とグーグル中国がシェアを伸ばし、ヤフー中国がシェアを大幅に落としているので、中国検索市場に関する最近のメディアの記事では、百度とグーグルの争いに焦点が当たることが多い。

 米国BusinessWeek誌によると、グーグル中国は中国検索市場でのシェア拡大のために、ここ数カ月間、中国の著名ポータルサイトとの提携を推進しているようだ、と分析している。実際、グーグル中国は、6月に中国最大手のポータルサイトの新浪と提携。新浪はグーグルの検索エンジンを採用することになった。8月にはブログなどWeb2.0的サービスを提供する天涯社区との提携も発表した。ほかにも大手ポータルサイトのTOMとも提携を結んだ。多くの著名ポータルサイトと提携することで百度を孤立させる。つまり反百度包囲網を築いているようにも見える、とBusinessWeek誌は分析する。

 加えてBusinessWeek誌は、提携先を広げようとすると、新華網など中国政府関連サイトとも提携を取る必要がでてくるだろう。しかし中国政府関連サイトと提携することになれば、米国での批判にさらされることになるだろう、との分析も示している。

 しかしどのサイトもグーグルと提携を結ぼうとしているわけではない。例えば大手ポータルサイトの網易は、7月にそれまで使っていたグーグルの検索エンジンから、独自に開発した検索エンジンに切り替えた。各ポータルサイトには、それぞれ思惑があり、グーグルの提携サイトの拡大は容易に行える話ではなさそうだ。