米マカフィーは2007年9月13日(米国時間)、“テーマソング”を再生しながら感染を広げるウイルスを確認したという。同社の公式ブログで明らかにした。

 ウイルスの名称は「Vergon」。実行形式ファイルだが、MP3ファイルのアイコンを表示してユーザーをあざむく。MP3ファイルを再生するつもりでアイコンをダブルクリックするとウイルスが動き出し、Windowsのシステムフォルダーに「Lagu」という名前のMP3ファイルを作成。パソコンにインストールされている音楽再生ソフト(メディアプレーヤーソフト)を使って再生する。

 このMP3ファイルの圧縮率は極めて高いため、音質は悪い。マカフィーの情報によれば、再生される音楽はオリジナルのテーマソングである模様。このテーマソングを再生しながら、パソコン中のさまざまなフォルダーに自分自身をコピーして感染を広げる。

 同時に、管理者権限を持ったユーザーアカウントを追加するバッチプログラムを作成。パソコンが起動された際に実行され、ウイルスが指定した管理者アカウントが勝手に追加されてしまう。

 同社では、今回のようなウイルスの被害に遭わないためには、信頼できないファイルを開かないことが第一であるとして注意を呼びかけている。アイコンのように、偽装可能な見た目の情報を過信することは最善ではないとする。

 また、ファイル種類を偽装する今回のようなウイルス対策として、Windowsの「フォルダ オプション」中の「登録されている拡張子は表示しない」を無効にする(チェックを外す)ことを勧めている(デフォルトは有効)。これを無効にしていれば、今回のようなウイルスは、アイコンがMP3ファイルであっても、拡張子が「exe」などであるため、偽装を見抜きやすい。