独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)は2007年5月2日、Windows 98やWindows Meといったサポートが終了したOSを利用し続けることには問題があるとして注意を呼びかけた(IPAの発表資料)。ベンダーのサポートが終了したOSには修正パッチ(セキュリティ更新プログラム)が提供されず、ウイルス対策ソフトなどもサポートしなくなるためだ。

 Windows 98/Meに対するマイクロソフトのサポートは2006年7月に終了している。しかしながらIPAによれば、サポート終了後も、Windows 98/Meユーザーからセキュリティに関する相談やウイルスの発見届け出が寄せられているという。2006年8月から2007年3月末までに寄せられた相談の9.0%、ウイルス届け出の2.5%がWindows 98/Meユーザーからのものだった。

 この状況を踏まえ、IPAではサポート切れのOSを使うことの危険性を、今回改めて呼びかけた。具体的には、(1)新たなぜい弱性が見つかっても修正パッチが提供されないため、ぜい弱性を悪用するウイルスの被害に遭う、(2)ウイルス対策ソフトなどがサポートを終了するため、新たに出現したウイルスを検出・駆除できなくなる――といった危険があるとして注意喚起している。

 IPAでは、「サポートが終了したOSを利用することは非常に危険な行為であるということを理解し、使用しないことが望ましい」として、どうしても使いたい場合には、インターネットや会社/家庭のネットワークに接続しない状態で利用することを勧めている。

 同日IPAでは、2007年4月中に寄せられた、ウイルスなどの届け出や相談件数を公表した。ウイルスを発見したという届け出件数は3199件(3月は2933件)、ウイルスの発見総数は約62万個(3月は約66万個)だった。

 不正アクセスの届け出件数は15件、そのうち実害があったのは12件だった。12件の内訳は、不正侵入が7件、アドレスの詐称が2件、「その他」が3件。

 ワンクリック詐欺(ワンクリック不正請求)の相談件数は205件(3月は316件)、セキュリティ対策ソフトと称するソフトウエアを無理やり購入させようとする「セキュリティ対策ソフトの押し売り」に関する相談は17件(3月は23件)だった。