コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は2006年7月25日、ファイル交換ソフトに関する利用実態調査の結果(PDF資料)を発表した。

 この調査は2006年6月13日から6月18日の間にWebサイト上で実施されたもので、有効回答数は1万8596人。ACCSのほか、テレビ朝日、テレビ東京、東京放送、日本音楽著作権協会、日本国際映画著作権協会、日本テレビ放送網、日本放送協会、日本レコード協会、フジテレビジョンが共同で実施した。

 調査結果によると、ファイル交換ソフトを「現在利用している」ユーザーが3.5%、「過去に利用していた」ユーザーが8.6%で、これは過去の調査と比較して最多の数字だという。同調査ではこの数字と、「インターネット白書2006」にある2006年2月末時点でのインターネット利用者数(自宅の機器を利用しての接続利用者数)5060.21万人という数字から、ファイル交換ソフトの現在利用者数を約175.51万人、過去利用経験者数を約432.66万人程度ではないかと推測している。

 「現在利用している」と回答したユーザーが、今までに「利用したことがある」ファイル交換ソフトは、上から順に「WinMX」52.9%、「Winny」52.6%、「Limewire」27.8%、「Share」23.7%、「Cabos」17.2%となった。なお「主に利用している」ソフトでは、上から順に、「Winny」33.3%、「WinMX」24.5%、「Limewire」19.8%、「Share」11.8%、「Cabos」10.8%と、「WinMX」と「Winny」の順位が逆転している。

 ファイル交換ソフトを「現在利用している」「過去に利用していた」ユーザー全体で、コンテンツの種類別にダウンロード経験の有無を尋ねた結果は「音楽関連」が65.1%、「映像関連」が59.1%、「ソフトウエア」が15.2%、「写真・画像関連」が13.5%、「文書関連」が8.5%となっている。

 なお、「現在利用している」ユーザーに質問したところ、過去1年間にダウンロードした平均ファイル数は194ファイル。ファイル共有(アップロード)を経験したことがあるユーザーは32.6%だった。

 この調査では、最近ダウンロードした音楽ファイル、映像ファイル、ソフトウエア名をユーザーごとに3件まで具体的に記載してもらい、著作権などの権利の対象となるものか否かを推定した。その結果、音楽ファイルに関しては「権利の対象となるもの」が91.1%、「権利がないと推定されるもの」が8.9%。映像ファイルでは「権利の対象となるもの」が86.2%、「権利がないと推定されるもの」が13.8%、ソフトウエアでは「権利の対象となるもの」が58.2%、「権利がないと推定されるもの」が41.8%であった。

 過去に「利用したことのある」ユーザーに利用をやめた理由を尋ねると「セキュリティ・ウイルスなどが心配」46.2%、「著作権侵害などの問題がある」26.4%、「ダウンロードに時間がかかる」22.2%、「飽きた」18.4%、「ファイル交換ソフトの利用が社会問題化」15.0%などの回答が挙がった。