トランスウエアは2003年2月28日,ノルウェーOpera Softwareが開発したWebブラウザ「Opera 7.02 for Windows 日本語版」を公開した。同社のWebサイトで購入できるライセンス・コードの価格は4800円。広告が表示される無償版もあり,http://jp.opera.com/からダウンロードできる。

写真1●Opera 7.02 for Windows 日本語版
新版ではレンダリング・エンジンとメール・クライアントを一新したほか,操作性を高める機能やWebブラウザのカスタマイズ機能を強化した。写真は広告が表示される無償版で,http://jp.opera.com/からダウンロードできる
 Opera 7.xで大きく変わったのは,レンダリング・エンジンとメール・クライアント(写真1[拡大表示])。レンダリング・エンジンを一新し,スタイルシートやDOM(Document Object Model),ダイナミックHTMLなどの対応を強化した(仕様の詳細はhttp://www.opera.com/docs/specs/を参照)。メール・クライアントは,IMAP(Internet Message Access Protocol)やメールの送信時にユーザー名とパスワードで認証する「SMTP AUTH」に対応したほか,メーリング・リストのスレッド表示などが可能になった。

操作性の機能強化が中心

 このほかでは,操作性を高める機能の追加が多い。(1)一度,ユーザー名とパスワードを入力すれば,次回からは「認証管理」ボタンをクリック,またはCtrl+Enterキーを入力するだけでログインできる,(2)アクセスしたWebページに含まれるリンク,これまでアクセスしたWebページの履歴を一覧表示する,(3)Shift+矢印キーで画面内を移動する,(4)テキスト・ブラウザなど12種類のスタイルシートを用意し,見にくいWebページなどはスタイルシートを使って簡単に見栄えを変更できる――などである。

 Webブラウザの見栄えをカスタマイズする機能も増えた。ツールバーやタブ,ブックマークなどはドラッグ・アンド・ドロップで表示位置を変更できる。パネルの表示や非表示などの設定も簡単になった。

 しかし,セキュリティ関連の機能などに物足りない部分がある。例えば,SSL(Secure Sockets Layer)でWebサーバーにアクセスした際に,サーバー証明書の発行機関や有効期限,署名などを確認する機能がない。Internet Explorer(IE)が備えるような,サイトごとにJavaScriptの有効/無効を設定する機能もない。Cookieに関しては受け入れるかどうかなどを細かく設定できるが,受け入れたCookieはcookies4.datという独自形式のファイルに保存される。あとで確認したり削除したりするのが不便である。

(榊原 康=sakakiba@nikkeibp.co.jp)