■Microsoftが無償提供しているWindows XPの設定ツール群「PowerToys」に新たに「ClearType Tuner」が追加され,他にも「HTML Slide Show Wizard」が更新された。ここではこれら2つの使い勝手を中心にいくつかのツールを紹介する。

 「PowerToys for Windows XP」は,米Microsoftが提供するWindows XPの機能拡張ツール群である(該当サイト)。いまや定番ツールとなった「Tweak UI」など,複数のツールがある。これらは無償で使用できるが,動作保証もMicrosoftのサポートもない。とはいえ,Microsoftが直々に出している有用なツール群なので,常用している人も多いと思う。

 Microsoftは2004年9月24日付けで,PowerToysに「ClearType Tuner」を追加した。他にも「HTML Slide Show Wizard」を更新した。この記事では前半で,新規に追加されたツールと改良されたツールを紹介し,後半で既存ツールを紹介していく。

 PowerToysは「X-Toysを日本語化するプロジェクトチーム」による日本語化キットが有名である(該当サイト)。ここから本家PowerToysのダウンロード・サイトにもリンクしている。本稿では日本語化されたPowerToysをもとにして解説を行う。


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図1●コントロール・パネル中の「ClearType Tuner」

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図2●「ClearType Tuner」

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図3-1●くっきり見える方のサンプルを選択

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図4-1●スライド・ショー・ウィザードの開始

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図5-1●スライド・ショー見出し

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図6●文字化け解消策

インストール前に旧バージョンを削除しておく
 PowerToysをインストールする前に,古いバージョンが入っていないかチェックしよう。2002年4月23日より前のPowerToysが既にインストールされていたら,インストールに先立ち,アンインストールを行う必要がある。また,日本語化を行う場合は,日本語化キットの説明書(解凍後の***J.TXT)を参照してほしい。

液晶ディスプレイで文字を見やすくする「ClearType Tuner」
 最初に,今回の目玉である「ClearType Tuner」を取り上げよう。ClearTypeとは,液晶ディスプレイ上でTrueTypeフォントを滑らかに表示可能にする技術である。Windows XPの初期設定ではClearTypeは有効になっていない。「ClearType Tuner」はClearTypeの有効/無効を容易に切り替えられるだけでなく,視覚的なウィザードで最も見やすい設定を選択できるツールである。

 コントロール・パネルの[デスクトップの表示とテーマ]から[ClearTypeの選択]をクリックすると(図1),「ClearType Tuner」(ClearTypeの設定)が起動する(図2)。ここで,[ClearTypeを有効にする]にチェックを入れるだけだ。詳細な設定は,[ウィザードを開始する]ボタンをクリックすると「ClearType設定ウィザード」が起動する。

 画面の指示に従い,くっきり見える方のサンプルを選択して[次へ]ボタンをクリックする(図3-1)。するとさらに6つのサンプルが表示される(図3-2)。ここで最もくっきり見えるサンプルを選択して[次へ]ボタンをクリックするとウィザード最終画面となる(図3-3)。このようにClearType設定が容易に行えるようになる。

 一方,ウィザードを使わなくても,図2で[詳細]タブを選択するとマニュアルで設定を行える。

HTML形式のスライド・ショーを作成する「HTML Slide Show Wizard」
 デジタル・カメラの写真をスライド・ショーで見せることはよくやることである。表示したいスライド・ショーをHTML形式で保存してくれるのが「HTML Slide Show Wizard」である。同ウィザードを使用すると,簡単に作成できる。これは9月に更新された。

 [スタート]-[すべてのプログラム]-[PowerToys for Windows XP]-[Slide Show Wizard]で起動すると,ウィザード開始画面が開く(図4-1)。[次へ]ボタンをクリックすると,画像の追加画面となる(図4-2)。

 [画像の追加]ボタンをクリックすると,画像ファイルを1つまたは複数選択して,スライド・ショーに追加できる。[フォルダの追加]ボタンをクリックすると,指定フォルダに含まれる画像すべてがスライド・ショーに追加される。追加された画像は,サムネイル表示される。ここで,写りの悪い画像の削除も可能だ(図4-3)。また表示順の変更は,画面の表示にもあるようにドラッグ&ドロップで行える。

 さらに[次へ]ボタンをクリックすると,スライド・ショーの名前や作者の名前などを入力する画面になる。他にも画面サイズやスライド・ショーの種類を選択する(図4-4)。スライド・ショーの既定の保存先は,マイドキュメントの下の「My Slide Shows」フォルダとなる。ここにスライド・ショーの名前で指定したフォルダが作成され,そこにHTMLや画像が収められる。

 スライド・ショーはHTMLファイルを開くと見出し画面が現れ,クリックするとスライド・ショーがスタートする(図5-1)。プレイ・ボタンをクリックすると,自動的にページをめくるようにスライド・ショーが実行される(図5-2)。

 このスライド・ショーを公開するためには,スライド・ショーの名前で指定したフォルダの下をすべてサーバーにアップロードする必要がある。ただし,この例のように日本語名称を用いた場合,生成されたHTMLコード中に文字コードの指定が含まれないため,Windows以外の環境では文字化けする可能性がある。HTMLコードに
<META http-equiv=Content-Type content="text/html;charset=Shift_JIS">
を追加することで文字化けは回避できる(図6)。

 このスライド・ショーは,「Internet Explorer」以外のブラウザ「Sleipnir」や「Lunascape」でも正しく表示できた。ただし,Linuxでは高機能版もシンプル版と同じ表示になってしまった。他にも[プレイ]ボタンが表示されないなどの現象があった。ただし,[次ページ]ボタン,[前ページ]ボタンは機能した。