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図9●「HFNetChkPro4ホームページ」(管理コンソール)

「マイドメイン」によるスキャン実行
 登録の終わったHFNetChkPro4を起動すると,「HFNetChkPro4ホームページ」(管理コンソール)画面が表示される(図9)。先ほどの「ライセンス情報」という項目はなくなっている。ウインドウ・タイトルも「Shavlik HFNetChkPro4限定版」という表示になっている。この画面を起点として,様々な情報にアクセスしたり,管理機能を実行したりする。

 HFNetChkPro4では「スキャン」「管理」「パッチ適用」といった3つのステップが必要である。スキャンにより管理対象マシンのパッチ適用状況を収集する。そして,不足しているパッチを把握した上で,パッチ適用を行うという流れになる。

 スキャンにはいくつかの方法があるが,手軽なのは「マイドメイン」のスキャンである。操作方法は,図9の右ペインにある真ん中のアイコンをクリックするか,左ペインの[スキャン対象]にある[マイドメイン]を右クリックして,現れたメニューから[スキャン]-[QuickScan]または[スキャン]-[FullScan]を選び実行する。

 すると,NTドメインやADドメインに参加していて,そのドメイン・コントローラの管理者権限を最初のウィザードで登録していれば,そのドメイン・コントローラが把握しているすべてのマシンをスキャン対象にする。あるいは,ドメインに参加せず,ワークグループでネットワークに参加している場合は,管理対象マシンと共通のユーザー名とパスワードを設定して,スキャンを実行する必要がある。


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図10●スキャンの進行状況

 スキャンの実行中は,図10のようなスキャンの進行状況が示される。その間,必要なファイルはWebサイトから自動的にダウンロードされる。Windows 98などスキャン対象外のマシンは全体数にも含まれない。ここで「未スキャン」とは「スキャンできなかった」を意味する。



 スキャンが完了すると結果を表示する(図11)。右ペインにあるツリー状表示の[スキャンされていないマシン]を選択すると,スキャンされなかった理由が表示される(図12)。ここでは,Windows XP Home Editionがスキャンされなかった例を示す。Windows XP Professionalで[簡易ファイルの共有を使用する(推奨)]がオンになっているときも同じエラーとなる。


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図11●スキャン完了
図12●スキャンされなかった理由


特定のマシンにパッチを適用してみよう
 次のステップは,パッチの適用である。適用には様々な方法が可能である。まずは,手動によるパッチ適用方法として,選択した特定のマシンへパッチを適用してみよう。

 「HFNetChkPro4ホームページ」画面のスキャン結果を右側に表示させる。真ん中上のペインにおいて,ツリー表示からパッチを適用したいマシンのアイコンを右クリックし,現れたメニューから[パッチ導入先]-[すべての不足しているパッチ]を選択する(図13)。すると[導入構成設定]画面が開く(図14)。


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図13●選択したマシンへのパッチ適用
図14●[導入構成設定]画面


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図15●PatchPush Tracker

 ここで,[導入方法]で[標準]とあるのは,標準の導入テンプレートの使用を意味する。インストール後に再起動する設定になっている。その下の[PatchPush Tracker IPアドレス]にある「PatchPush Tracker」とは,パッチを管理対象マシンに適用するプログラムのことで,プグラムが使用するサービスが起動しているIPアドレスを指定する(通常は管理コンソールのIPアドレスで変更する必要はない)。さらにその下にある[導入時]では,[ただちにインストール][インストールせずにコピーします][スケジュール時](時間を決めてインストール)――の3つから選ぶ。[導入]ボタンをクリックすると実行だ。

 必要なパッチのダウンロードが行われ,別途PatchPush Trackerの画面が開く(図15)。[状態]欄の丸印は色によって,次のような意味を持つ。
・青色:パッチの導入が未完了。
・緑色:パッチの導入が成功。
・黄色:不良セキュリティ属性が原因で再スキャンに失敗。
・赤色:パッチの導入が完全に行われず,さらに調査が必要。



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図16●シャットダウン通知

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図17●パッチ適用成功(状態が緑色)

標準設定では5分後に再起動がかかる
 標準の構成では,パッチ適用の5分後に再起動する設定になっていて,パッチが適用されたマシンではシャットダウン通知が開く(図16)。操作者はこの通知を見たら,作業中のファイルを保存するなどの処置を行う必要がある。5分間という時間は,カスタマイズできないが,将来のバージョンでカスタマイズ可能になる予定と,WebサイトのFAQに記載されている。

 パッチを適用したマシンの再起動が完了すると,PatchPush Trackerの表示が変わり,パッチ適用が成功したことが分かる(図17)。


選択したパッチのみの適用する
 必ずしもすべてのパッチを適用したいとは限らない。そもそもWindows Media Playerを利用できなくしているところでは,不要なパッチをあえて適用しないという選択肢もある。厳格な運用をする企業では,そのパッチがシステムにどのような影響を与えるかテストしてから適用したいという場合もあるだろう。


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図18●選択したパッチのみの適用

 このようなニーズにこたえるため,選択したパッチのみを適用することも可能である。先の図13の画面の一番右上のペイン(パッチペイン)で,パッチが選択されていると,右クリックしたときのメニュー項目に[選択されたパッチ]が追加されていることが分かる(図18)。なお,パッチペインで「Shift」キーや「Ctrl」キーを押しながらクリックすることで複数のパッチを選択できる。


パッチ適用後の再起動のカスタマイズ
 パッチ適用後は基本的には再起動が必要となっているが,この動作は導入テンプレートを新しく作成することでカスタマイズ可能である。

 「HFNetChkPro4ホームページ」の左ペインの下側に[新しい導入テンプレート]という項目がある。ここをクリックすると[導入テンプレート]画面が開くので,ここで[リブートなし](再起動なし)のテンプレートを作成する(図19)。そして,パッチ適用時に,先の図14の[導入構成設定]画面で,この導入テンプレートを指定すればよい(図20)。


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図19●[導入テンプレート]画面
図20●[導入構成設定]画面で「リブートなし」テンプレートを使用する