(Mark Joseph Edwards)

 私は先日,ハードディスクに記録されたデータを完全に消去する必要性と,その作業に役立ついくつかのソフトウエアやハードウエア製品のことを書いた(「ハードディスク内のデータを完全に消去する方法」)。今回は,追加情報をフォローアップしようと思う。

毎年大量に発生するリプレースPCの破棄
 Sandle Nissen氏は,彼が働いている大学で直面している問題を私に教えてくれた。この大学では毎年パソコンを少しずつ置き換えているが,今年は200台のマシンがその対象になっている。これらのPCをリサイクル業者へ送る前に,ハードディスクに記録されたデータを完全に消去しておく必要がある。

 現在この作業には,米Symantecの「Ghost Solution Suite」に含まれるコンポーネント「Gdisk」を使っている。このツールでは,米国防総省が定める消去法を選択した場合,1Gバイト当たり1時間半もかかるそうだ。ディスク・ドライブはたくさんあるし,消さなくてはいけないデータも何Gバイトもあるので,この大学では確実にしかも高速にデータを消去する方法を探している。

高価だが消磁機を使う方法も
 Nissen氏の大学では,消磁機を信用していないという。この装置は複数のドライブを一度に強い磁界に当てることで,ディスク内のデータを消去するものだ。消磁機は,数千ドルから2万5000ドル以上と,非常に高価でもある。この装置を借りるのも高い。いくつかの会社では,レンタル機1台について月1400ドルの料金を取る。

 消磁機には,開界式と閉界式の2つ基本のタイプがある。開界式の製品は,磁界を周囲に曝露するので,あなた自身や他のものが影響範囲に入るかもしれない。健康に被害を及ぼすかもしれない。また,あなたのクレジット・カードの磁気テープを含めて,近くにある磁気を帯びたものにダメージを与える可能性がある。閉界式は開界式よりも高価だが,ドライブをそのユニット内に入れて使用するので,磁界が外に漏れる心配はない。

物理的な破壊が確実だが…
 彼は,かつてこの大学ではディスク・ドライブを串刺しにしたり,粉砕したりして物理的に破壊しようとしたことがあるという。私は数年前に,ディスクを破壊しやすくするために液体窒素を使っている人の話を読んだことがある。液体窒素はそれに浸したものを急速に凍結させて,砕けやすくする。もしドライブをその中に漬けると,ハンマーで簡単に叩き壊せるようになる。だが,液体窒素はとても高価なので万人にはお薦めできない。

 もし,消去したいドライブがほんの2,3台なら物理的に破壊するほうが簡単だ。しかしNissen氏の置かれた状況からわれわれが学んだように,たくさんのドライブを持っている場合は,その作業はかなりの難題になる。だれもデータを回復できないという高い確実性で多数のドライブ上のデータを破壊するよい方法をあなたはご存知だろうか? もしそうなら詳しいやり方を教えてほしい。