(Mark Joseph Edwards)

 セキュリティ管理者または担当者としてのあなたの仕事の一部には,携帯電話のセキュリティが含まれているだろうか?

 あなたの会社でも,だれかが携帯電話のセキュリティ(ケータイ・セキュリティ)を担当するべきだ。もし,従業員が企業情報を自分たちのケータイに入れているのなら,なおのことである。

ケータイ・ウイルス「Cabir」発見!
 ロシアの情報セキュリティ・ベンダーであるKaspersky Labsは2004年6月,携帯電話に感染する最初のウイルスを見つけたと発表した(該当サイト)。同社が「Cabir」と命名したそのウイルスはSymbian OSを使う携帯電話に感染する。

 このウイルスは比較的害が少なく,その唯一の目的は自分をばらまくことだ。そしてそれはBluetoothが使えて,自分の存在をブロードキャストしている他の携帯電話にしか感染しない。しかし,同社の広報担当者のDenis Zenkin氏は,遅かれ早かれデータを破壊したり盗んだりするような,もっとたちの悪い携帯電話用の不正ソフトが広がり始めるだろうと語っている(該当サイト)。

Bluetoothのブロードキャスト機能を
「不可視モード」にせよ!

 Cabirは,Bluetoothという無線技術を使い,自分をブロードキャストする携帯電話に伝染するわけだから,ユーザーはその電話をブロードキャストしない「不可視モード」でBluetoothを使えるように,Symbianの設定を変えればいい。さらに,先々何かの攻撃をするのを防ぐためにも,すべての携帯電話のOSは,不可視モードに設定変更すべきだ。

 不可視モードを使うことは,無線LANのAP(アクセス・ポイント)でいえば,そのService Set Identifier(SSID)をブロードキャストしないように設定するのに似ている。もし,APがそのSSIDをブロードキャストしていると,侵入者はそれを検出して,あなたのネットワークに入り込む手掛かりとしてその情報を使える。Bluetoothの不可視モードは,ファイアウオールを使うのに似ていて,外部のネットワークからあなたの内部ネットワークが見えないようにする。

 こうしたセキュリティの手法は,多分あなたにとっては常識だろう。しかし,あなたの会社にいる携帯電話ユーザーにとっては,そうではないかもしれない。Bluetoothのブロードキャスト機能付き携帯電話というのは,自動車の座席に置き去りにされた財布やハンドバッグと同じようなもので,実質的に“車上あらし”に盗んでくれといっているようなものだ。

 隠しておくことによる,ちょっとしたセキュリティは,遅かれ早かれ欲求不満を募らせるかもしれない。何人かは賛成しないかもしれない。しかし,財布であれハンドバックであれ,あるいは無線ネットワークであっても,何かの存在を隠しておくことで,かなり大幅にセキュリティを強化できると思う。

 もちろん,ウイルス対策ソフト・ベンダーが提供している携帯電話用のウイルス対策ソフトでも,デバイスを保護できる。これに加えて,前述したような,携帯電話のブロードキャスト機能を無効にすることで,特にBluetooth対応のデバイスを見えなくできる。

 もし,あなたがBluetooth搭載の携帯電話にある他の問題に関心があるなら,関連する他の弱点のいくつかについても知りたいだろう。それは最近のIntegralisのプレス・リリースで紹介されている(該当サイト)。