(Mark Joseph Edwards)

 インターネットを使った不正行為(個人情報の剽窃,虚偽の広告,または何かの策略など)は,現在増え続けている問題である。頻繁に使われるようになったいくつかの詐欺の手口の1つに,送信者が受信者をだまして,個人情報(銀行口座やクレジット・カード情報など)を送らせようとたくらんだ電子メールと偽装したWebサイトの組み合わせがある。

企業向けの不正対策サービスがスタート
 最近,英Netcraftと米Brightmailが不正行為を抑止することを狙ったセキュリティ・サービス(訳注:anti fraud serviceと書かれることが多い)を開始した。

 Webサーバー調査で知られるNetcraftは,銀行などの金融機関に対して,インターネットを使った不正行為の予兆を警告するサービスを行っている。そのサービスは,金融機関のドメイン名や商標,よく知られた宣伝文句などの悪用がないかをおよそ4600万のWebサイトからスキャンする。また,同社は別の方法,例えばDNSスキャンのパターン・マッチングやSecure Sockets Layer(SSL)認証で使われているコモン・ネーム(訳注:SSLの証明書を受けたサイト名を指す)などの監視も行う。Netcraftの不正対策サービスを利用する金融機関は,不正を行う可能性のあるサイトについて,うまくいけばそれらのサイトが,だれかをだます前に警告を送れる(該当サイト)。

 Brightmailの不正対策サービスは,金融機関や政府機関,そのほかのサービスが電子メールによる詐欺やブランドの偽装などに対抗するのを支援するために作られた。 同社は,企業がスパムや不正行為に関する情報を収集するためのおとりとして使っている200万以上の電子メール・アドレスを集めた「探査ネットワーク」を運用する。もし,同社が電子メール経由での不正の兆候を見つけたら,関連する組織に警告を発して彼らがアクションを起こせるようにする(該当サイト)。

不正防止のためにできること
 もし不正が起これば,アイデンティティを詐称された会社や,個人情報を流用された人は困惑させられ,窮地に陥れられるだろう。ではどのようにすれば,企業や個人をこうした事態から守れるだろうか? 重要なeコマース・サイトを運用する企業は,新しい不正対策サービスを使うことを検討するべきだ。

 個人レベルでは,オンライン詐欺に関する他人や自分自身の認識を上げることで,手助けできる。もし,あなたがオンラインの金融詐欺を防ぐ助けをしたいのなら,Anti-Phishing.orgサイトを見ておくべきだ(該当サイト)。この新しいサイトでは,オンライン詐欺を抑止する方法を見つけることを目的にしたワーキング・グループに参加でき,同様の組織へのリンクも見つけられるほか,最近の不正の手口などについて最新の記事や報告を読める。