Windowsネットワークに強くなる(第2回) 続き



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図8●ルーターを越えてDHCPサーバーを有効にする


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図9●DHCPリレー・エージェントの導入と設定


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図10●Active Directory環境ではDHCPサーバー・サービスの開始に「承認」操作が必要

別のネットワークのDHCPサーバーは
リレー・エージェントがあれば利用可能

 先に説明したように,DHCPでアドレスの取得を行う際にはブロードキャストを用いてサーバーを探すため,DHCPサーバーは基本的にネットワーク1つに対して1台ずつ必要になる。ルーターを越えた別のネットワークに存在するDHCPサーバーへIPアドレスを要求することは通常できない仕組みである。

 しかし,DHCPリレー・エージェントを設けた場合は別である。リレー・エージェントは,DHCPメッセージを受信し別のネットワークに存在するDHCPサーバーへ要求を転送する仕組みを持つサーバーである。これを設置することで異なるネットワーク同士でのDHCPによるアドレス配布ができるようになる(図8)。BOOTPというプロトコルでのブロードキャストを含む通信をルーターで許可することでもルーターを越えたアドレス配布が可能になるが,ここではリレー・エージェントを使う方法を紹介しよう。

 DHCPリレー・エージェント機能はWindows NT Server 4.0およびWindows 2000 Serverのいずれもが備える。

 導入・設定方法を図9に示した。Windows NT Server 4.0の場合は,ネットワークのサービスとして[DHCPリレーエージェント]を導入し,TCP/IPのプロパティで転送先のDHCPサーバーを指定する。Windows 2000 Server,Windows Server 2003の場合は,「ルーティングとリモートアクセス」を導入して,その管理ツールから設定する。

 最後に,Active Directory環境でDHCPサーバーを利用する際の注意点をあげておこう。Active DirectoryドメインのメンバーとなっているWindows 2000 Server,Windows Server 2003コンピュータでは,ドメインで「承認」されなければ,DHCPサーバー・サービスを導入しても起動できないようになっている(図10)。これは,管理者に無断でDHCPサーバーを立ち上げられてIPアドレスの配布に混乱を及ぼさないようにするためである。「承認」はDHCPサーバーにドメインの管理者でログオンしてDHCP管理ツールから行う。