Windowsネットワークに強くなる(第4回) 続き



△ 図をクリックするとWindows 2000とXPの両方の画面が拡大されます
図3●Windows 2000/XPクライアントのプライマリDNSサフィックスを確認する


△ 図をクリックするとWindows 2000とXPの両方の画面が拡大されます
図4●デフォルトではプライマリDNSサフィックス以外のドメイン名もDNSサフィックスとして追加される設定になっている


△ 図をクリックするとWindows 2000と2003の両方の画面が拡大されます
図5●WebサーバーのプライマリDNSサフィックスを変えて解決


△ 図をクリックするとWindows 2000とXPの両方の画面が拡大されます
図6●クライアントでWebサーバーのドメイン名をDNSサフィックスとして追加しても解決できる

クライアントPCのドメイン名が付加される
 ここで,1つの大きな疑問がわくはずだ。Webブラウザにホスト名「sample」を入力したのに,なぜ「sample.example.co.jp」や「sample.co.jp」をDNSサーバーに問い合わせるのだろうか。そのカギを握るのがDNSサフィックスである。

 前回説明したように,Webブラウザにフル・コンピュータ名が入力されると,クライアントPCはDNSサーバーに対してその名前を送信し名前解決を試みる。しかしドメイン名が付いていないホスト名のみがあて先に指定されると,既定の設定では指定したホスト名にクライアントPCのフル・コンピュータ名のドメイン名を付加(サフィックス)して名前解決を試みるのだ。ホスト名に追加されるドメイン名がDNSサフィックスである。

 Windows 2000/XP/Server 2003の場合デフォルトでは,優先的に付加されるDNSサフィックスである「プライマリDNSサフィックス」が付加されるようになっている。例えば,今回のクライアントPCのプライマリDNSサフィックスは「example.co.jp」であり,ホスト名「sample」の後に付加される。したがって「sample.example.co.jp」を最初に問い合わせたのである。

 プライマリDNSサフィックスは,クライアントPC(ここではWindows 2000/XP)のコントロール・パネルにあるシステムで確認できる(図3)。[マイコンピュータ]から右クリックして表示される[プロパティ]を選ぶ。[ネットワークID]/[コンピュータ名]タブに切り替えた後,[プロパティ]/[ネットワークID]ボタンを押し,識別の変更画面で[詳細]ボタンを押すと,そのPCに設定されているプライマリDNSサフィックスが表示される。

 Windows 2000 Professional/XP ProfessionalをインストールしただけではプライマリDNSサフィックスは設定されない。Active Directoryに参加すると,そのドメイン名がプライマリDNSサフィックスとして登録される。

プライマリDNS以外のドメイン名も付加される
 プライマリDNSサフィックスが付加された場合の名前解決が失敗すると,順番に1つ上のレベルのドメインを追加した名前で接続を試みるようになっている。例えば,プライマリDNSサフィックスが「example.co.jp」であれば,exampleを除いた「co.jp」がDNSサフィックスとして追加される。したがって,「sample」と入力した場合,「sample.co.jp」を問い合わせていたのである。

 Windows 2000/XP/Server 2003の場合デフォルトでは,こうした仕様になっている。TCP/IP詳細設定画面には,[プライマリDNSサフィックスの親サフィックスを追加する]にチェック・マークが付いている(図4)。これが有効になっている場合,プライマリDNSサフィックス以外のドメイン名が追加される。チェック・マークをはずすと,プライマリDNS以外のドメイン名は付加されなくなる。

ホスト名のみで接続する場合の2つの方法
 では,ホスト名のみで目的のWebサーバーに接続させるにはどうすればいいか。大きく分けて2つの方法がある。

 1つは,クライアントPCとWebサーバーのプライマリDNSサフィックスをそろえることだ。クライアントPCのプライマリDNSサフィックス「example.co.jp」を「sales.example.co.jp」に変更するか,あるいはWebサーバーのプライマリDNSサフィックスを「example.co.jp」に変更すればうまくいく。ただし,設定は後者のほうが楽である(図5)。前者の方は複数のクライアントPCの設定を変更しなくてはならないためだ。後者はWebサーバーの設定を変更するだけなので,手間が少ない。

 もう1つは,WebサーバーのプライマリDNSサフィックスを,クライアントPCのDNSサフィックス・リストに追加する方法だ(図6)。クライアントPCのDNS設定は,デフォルトで[プライマリおよび接続専用のDNSサフィックスを追加する]が有効になっている。これを,[以下のDNSサフィックスを順に追加する]に切り替えて,DNSサフィックスとしてWebサーバーのプライマリDNSサフィックス「sales.example.co.jp」と,クライアントのプライマリDNSサフィックス「example.co.jp」を追加すればよい。