IIS 6.0セットアップ・ガイド(第2回) 続き

Webサイトのプロパティ画面で定義をする
 次は,実際にWebサイトの具体的な設定を行っていこう。まず,IISマネージャの[既定のWebサイト]を右クリックして現れたメニューから[プロパティ]を選択すると,[既定のWebサイトのプロパティ]という画面が手前に現れる(図4)。先ほどWebサイトの設定は[既定のWebサイト]で行うと述べたが,これのプロパティ画面で設定を行っていくのだ。とりあえず重要なのは[ホームディレクトリ]タブと[ドキュメント]タブである。ここでWebサーバーから公開するコンテンツの格納場所と権限を設定し,既定のコンテンツ・ページの設定を確認する必要がある。



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図4●[既定のWebサイト]プロパティの[ホームディレクトリ]タブの設定

[ホームディレクトリ]タブで保存場所やアクセス権を設定
 [ホームディレクトリ]における各種設定を個条書きにまとめておく。図4の画面をご覧になりながら読んでいただきたい。

■[このリソースのコンテンツがある場所を指定してください]
ここでは[このコンピュータにあるディレクトリ]を選択して,以下でサーバーのローカル・ディスクを指定する。設定画面にあるようにコンテンツの場所は,他にもネットワーク上の共有ディレクトリや,他のURLへのリダイレクトでも構わない。

■ローカルパス
実際にどこにコンテンツを置くかを指定する。デフォルトは「C:\InetPub\wwwroot」になっている。
・[スクリプトソースアクセス]…ASPなどでのスクリプト・ソースへのアクセスを許可するもので,必要なければチェックは入れない。
・[読み取り]…読み取りを許可するのでクリックしてチェックを入れる。
・[書き込み]…ファイルのアップロードなどのときには許可する。
・[ディレクトリの参照]…ディレクトリが指定された場合に,ディレクトリ下のリスト表示を許可する。
・[ログアクセス]…アクセス・ログを記録する。これは[Webサイト]タブで「ログが有効」になっている必要がある。
・[このリソースにインディクスを付ける]…インデックス・サービスを利用している場合,Webページの中身がテキスト全文検索の対象になる。

■アプリケーションの設定
・[アプリケーション名]…このディレクトリ下にスクリプトあるいは実行可能ファイルを用いたアプリケーションが存在する場合,アプリケーション名をつける必要がある。静的なコンテンツのみの場合は不要。
・[実行アクセス許可]…サーバーでのスクリプトの実行か,あるいはスクリプトと実行可能ファイルかの許可を選択する。ただし,アプリケーション設定が有効の場合のみ。
・[アプリケーションプール]…どのアプリケーション・プールでアプリケーションを動作させるかを選択する。アプリケーション・プールを分けておくと別のアプリケーション・プールで動いているアプリケーションに問題があって停止した場合でも影響を受けることがない。アプリケーションの設定が有効の場合のみ。



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図5●[既定のWebサイト]プロパティの[ホームディレクトリ]タブの設定


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図6●[ドキュメント]タブの[既定のコンテンツページを有効にする]で無効にすると表示されるエラー・ページ

 また,静的なコンテンツのみを利用するのであれば。[アプリケーション名]以下は不要となる。権限に関しても最も簡素なWebサーバーとして利用するなら,[読み込み]と[ログアクセス]の許可だけでよい。

[ドキュメント]タブでWebページの拡張子を決める
 もう1つの[ドキュメント]タブの設定を行う(図5)。この画面には,[既定のコンテンツページを有効にする]という項目があるので,これをチェックして有効にする。既定のコンテンツ・ページとは,http://192.168.1.10/default.htmのような形式ではなく,http://192.168.1.10/などというリクエストがきたときに,実際にどのページを表示するかという設定である。複数のファイル名が指定でき,該当するファイルが複数存在する場合は優先順位が高いファイル名のものが利用される。

 [ドキュメントフッターを利用する]という項目では,HTMLでドキュメント(各Webページ)をブラウザに送るとき,すべてのドキュメントに対して同じフッターを自動的に付加したい場合に利用する。ただし,サーバーやブラウザの負荷が大きくなるため,利用は慎重に考慮して使ったほうがよい。

 先に確認したようにブラウザで,作業中ページが表示される場合は,既定のコンテンツ・ページが全く存在しないことを示している。既定のコンテンツ・ページを無効に設定して再度試すと,今度は「このページの表示は認められていません」というエラー・ページに変わっているのが確認できる(図6)。