Windows Server 2003のグループ・ポリシー新機能(後編)  続き

△ 図表をクリックすると拡大されます
図6●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(1)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図7●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(2)


△ 図表をクリックすると拡大されます
図8●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(3)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図9●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(4)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図10●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(5)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図11●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(6)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図12●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(7)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図13●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(8)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図14●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(9)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図15●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(10)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図16●GPMCを使ったグループ・ポリシーの適用(11)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図17●適用予定のグループ・ポリシーの詳細が表示される

グループ・ポリシーの結果セット(RSoP)で グループ・ポリシーの適用条件をチェック

 グループ・ポリシーは(1)サイト,(2)ドメイン,(3)上位OU,(4)下位OUの順に適用される。さらにセキュリティ・グループやWMIによるフィルタリングも行われるので,適用結果が予測しにくい場合がある。

 Windows 2000では,リソース・キットにGPResult.exe(現在のコンピュータとユーザーに対するグループ・ポリシーの適用結果を表示),GPOTool.exe(ドメイン・コントローラにあるGPOの状態を確認)というコマンド・ライン・ツールが収録されていたが,グループ・ポリシーを管理するのに十分とは言えない状況であった。

 Windows Server 2003では「グループ・ポリシーの結果セット(RSoP:Resultant Set of Policy)」機能を使うことで,特定のユーザーやコンピュータに適用されるグループ・ポリシーを表示できる。グループ・ポリシーを管理する上で,RSoPは非常に便利な機能である。この機能はWindows Server 2003のグループ・ポリシーの改善点の中でも,管理者にとって一番メリットのある機能ではないだろうか。ここでは,RSoPを使ってどのような情報が得られるのか検証してみたい。

 RSoPには「計画モード」と「ログモード」という2つのモードが用意されている。「計画モード」(グループ・ポリシーのモデル作成)は,ドメインの管理者が実施するモードで,設定したグループ・ポリシーがどのように適用されるかを事前にチェックできる。これにより,間違った構成のGPOを適用しトラブルが発生するのを未然に防ぐことができる。もう1つの「ログモード」(グループ・ポリシーの結果)は,ドメインの管理者またはユーザー側で実行するモードで,現状のグループ・ポリシーの適用状況を確認し,グループ・ポリシーのトラブルシューティングに必要な情報を収集できる。

計画モードで適用結果をシミュレーション
 ドメイン管理者は,「ポリシーの結果セット(計画モード)」を使用して適用結果をシミュレーションできる。GPMCを使う場合,ポリシーの結果セット(計画モード)は,[グループポリシーのモデル作成]を実行する。その他,[Active Directoryユーザーとコンピュータ]で特定のコンテナ/ユーザー/コンピュータを右クリックし,現れたメニューで[すべてのタスク]-[ポリシーの結果セット(計画中)]を選択して実行する。マイクロソフト管理コンソール(MMC)のスナップインで,[ポリシーの結果セット]を追加し,[RSoPデータの生成]で実行する方法もある。

 では,実際にGPMCを使用してグループ・ポリシーがどのように適用されるかを確認してみよう。ここでは,「TempStaff」OU内の「Temp1」ユーザーが,「Tokyo」OU内のWindows Server XPコンピュータにログオンした場合をシミュレートするようにした。
(1)[管理ツール]-[グループポリシーの管理]でGPMCを起動する。[グループポリシーのモデル作成]を右クリックし,[グループポリシーのモデル作成ウィザード]を選択する(図6)。[グループポリシーのモデル作成ウィザード]が起動する。

(2)[グループポリシーのモデル作成ウィザードの開始]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図7)。

(3)[ドメインコントローラの選択]ページでシミュレーションに使用するドメイン・コントローラを選択し,[次へ]ボタンをクリックする(図8)。

(4)[ユーザーとコンピュータの選択]ページでシミュレートするユーザーとコンピュータが格納されているコンテナを選択し,[次へ]ボタンをクリックする(図9)。

(5)[シミュレーションの詳細オプション]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図10)。ここでは,サイトの選択や低速ネットワークのシミュレートできる。

(6)[ユーザーセキュリティグループ]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図11)。ここでは,ユーザーが所属するセキュリティ・グループを指定し,セキュリティ・グループによるフィルタリングをシミュレートできる。

(7)[コンピュータセキュリティグループ]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図12)。ここでは,コンピュータが所属するセキュリティ・グループを指定し,セキュリティ・グループによるフィルタリングをシミュレートできる。

(8)[ユーザーのWMIフィルタ]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図13)。ここでは,ユーザーのWMIフィルタをシミュレーションに含められる。

(9)[コンピュータのWMIフィルタ]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図14)。ここでは,コンピュータのWMIフィルタをシミュレーションに含められる。

(10)[選択の要約]ページで[次へ]ボタンをクリックするとシミュレーションが開始される(図15)。

(11)[完了]ボタンをクリックする(図16)。

 最後にTemp1にはどのようなポリシーが適用されるのか確認してみよう。[設定]タブを表示すると,適用される予定のポリシーの詳細を確認できる(図17)。

ログモード(グループ・ポリシーの結果)で適用状況を確認
 グループ・ポリシーのシミュレーションを行ってうまくいった場合でも,実際に適用してみて,ネットワーク・トラブルなどの事情により,うまく適用されないこともある。実際のコンピュータできちんとグループ・ポリシーが適用されているかどうかを確認するには,ポリシーの結果セット(ログモード)を使う。

 GPMCを使う場合,ポリシーの結果セット(ログモード)は[グループポリシーの結果]を実行する。その他,[Active Directoryユーザーとコンピュータ]で特定のコンテナ/ユーザー/コンピュータを右クリックし,[すべてのタスク]-[ポリシーの結果セット(ログ作成中)]を実行する。MMCのスナップインで[ポリシーの結果セット]を追加し,[RSoPデータの生成]で実行する方法もある。また[ヘルプとサポート]からも実行可能だ。

 管理者はこの機能により,指定されたコンピュータおよびそのコンピュータにログオンしたユーザーに適用されたポリシーの結果セットを判断できる。ただし,クライアントは Windows XP,Windows Server 2003以降を実行している必要がある。

 では,実際のグループ・ポリシーの適用状況を確認してみよう。
(1)スタート・メニューから[管理ツール]-[グループポリシーの管理]を選択して,GPMCを起動する。[グループポリシーの結果]を右クリックし,現れたメニューから[グループポリシーの結果ウィザード]を選択する(図18)。

(2)ウィザードが起動し,[グループポリシーの結果ウィザードの開始]ページで[次へ]ボタンをクリックする(図19)。

(3)[コンピュータの選択]ページでポリシー設定を参照したいコンピュータを選択し,[次へ]ボタンをクリックする(図20)。

(4)[ユーザー選択]ページでポリシー設定を参照したいユーザーを選択し,[次へ]ボタンをクリックする(図21)。

(5)[選択の要約]ページで[次へ]ボタンをクリックと(図22),情報の収集が開始される。

(6)[完了]ボタンをクリックする(図23)。

 結果を見ると,どのようなポリシーが適用されているかが表示される(図24)。また,[ポリシーのイベント]タブでは,対象のコンピュータからすべてのポリシーに関連するイベントを表示できる(図25)。このように,グループ・ポリシー関連のトラブルシューティングを行うには非常に役に立つ機能である。

*   *   *

 2回にわたって,Windows Server 2003で改善されたグループ・ポリシーの機能のうち主要なものを実際に検証してみた。これ以外にもいくつかの機能が拡張されており,Windows 2000と比べると格段に使い勝手がよくなっている。ぜひ,Active Directoryを導入し,グループ・ポリシーを使いこなしてほしい。




△ 図表をクリックすると拡大されます
図18●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(1)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図19●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(2)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図20●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(3)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図21●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(4)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図22●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(5)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図23●「ポリシーの結果セット」で適用結果を確認する手順(6)
△ 図表をクリックすると拡大されます
図24●「ポリシーの結果セット」による適用結果の表示
△ 図表をクリックすると拡大されます
図25●ずべてのポリシーに関連するイベントが表示される