SP1適用済みのインストールCDを作る
 Windows Server 2003 SP1が適用済みのインストール・イメージを作るのは簡単だ。ただし,そのCDから起動できるようにするためには,専用のツールが必要である。例えば,インターコムの「SuperウルトラISO」などを使う。

 SP1インストール済みCDの作り方は次の通りである。

(1)Windows Server 2003のインストールCDの内容を丸ごとハードディスクにコピーする。
(2)ハードディスクにコピーしたインストール・イメージにSP1を適用する。これを「統合インストール」と呼ぶ。
(3)Windows Server 2003のインストールCDからブート・レコードを,SuperウルトラISO(または類似ソフト)を使って抜き出す。
(4)SP1を統合インストールしたイメージと,WindowsServer 2003のインストールCDから抜き出したブート・レコードを使って,新しいインストールCDを作る。


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図3 ●WindowsServer 2003 SP1を統合インストールする
 ここでは,Windows Server 2003のインストールCDの内容を,「C:\WIN2K3」フォルダにコピーしたものとする。ここに,SP1を統合インストールするには次のように,コマンド・プロンプトで「/integrate:」オプションにインストールCDの内容をコピーしたフォルダ名を指定して,SP1のコマンドを実行する(図3)。

F:\SRSP1 /integrate:C:\WIN2K3

 これで,C:\WIN2K3フォルダ内に,SP1が統合インストールされたインストール・イメージができる。なお,ここでは,Windows Server 2003SP1がFドライブにあるものとした。SP1の本体のファイル名はSRSP1.EXEである。この,ファイル名はベータ版のもので,製品版では変更になる場合がある。

 次に,CDから起動するのに必要なブート・レコードを,Windows Server 2003のインストールCDから抜き出す。これはファイルとして記録されているわけではないので,抜き出すには専用ツールが必要である。SuperウルトラISOを利用するならば,[ツール]−[イメージファイルの作成]メニューを使い,[ブートイメージ]を選ぶ。ブート・イメージは2Kバイトの大きさがある。

 最後に,一般のCD書き込みソフトを使って,SP1を統合インストールしたイメージとブート・レコードをCDに書き込む。CD書き込みソフトには,ライブドアのnero6などが使える。

 CD書き込みソフトでは,ブータブルCD(起動可能CD)形式にする。その際,ファイル・フォーマットには,ファイル名に最大31文字が使える「ISOレベル2」を選び,長いファイル名のための拡張である「Joliet」を適用しない。また,起動エミュレーションが選べる場合は,「エミュレーションしない」にする。

 以上の設定でCDにデータを書き込むと,SP1を適用済みのインストールCDができる。

デフォルトで無効になるWindowsファイアウオール


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図4● Windows Server 2003 SP1にも実装されたWindowsファイアウオール
 次にWindowsファイアウオールについて説明する。前述のように,Windows Server 2003 SP1にも,Windows XP SP2と同じWindowsファイアウオールが実装される。機能はすべて,XPSP2と同じだ。ただし,Windows Server 2003SP1ではデフォルトで無効になっている点がWindowsXP SP2と異なる(図4)。既存のWindowsServer 2003のシステムに後からSP1を適用するとき,SP1適用前にインターネット接続ファイアウオールが有効になっているときだけ,Windowsファイアウオールが有効になる。

 Windowsファイアウオールは,TCP/IPのパケット・フィルタリング・ソフトである。WindowsServer 2003には,同様な機能として,「TCP/IPフィルタリング」と「ルーティングとリモート・アクセス(RRAS)」がある。

 TCP/IPフィルタリングは,着信のみを制御し,その際通信を許可するTCPやUDPのポート番号などで設定する。どのプロトコルが何番ポートを使うかを知らないと設定できない。RRASのパケット・フィルタリング機能は,発信と着信の両方について設定できるが,RRASを有効にしないと使えず(Windows Server 2003のデフォルトは無効),TCPやUDPのポート番号で設定するためやはり設定は難しい。

 Windowsファイアウオールは,TCP/IPフィルタリングと同様,着信のみを制御する。設定方法は,TCP/IPフィルタリングよりも簡単になっている。Windowsファイアウオールを有効にすると,サーバーに設定されている役割が利用するポート以外はすべて,外部からのアクセスを拒否する。そして内部からの発信やそれに対する応答はすべて許可する。


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図5●Windowsファイアウオールの設定画面
 外部からのアクセスを許可するには,TCP/IPフィルタリングのようにプロトコルとポート番号の指定も可能だが,アプリケーション単位でもできるところが違う。1つのアプリケーションが複数のポートを利用しているときは,それらすべてのポートに対するアクセスが許可される。どのアプリケーションが何番ポートを使うのかを知らなくても設定可能である。また,そのアプリケーションが稼働しているときだけポートを開け,停止するとポートを閉じる点も優れている(図5)。

 また,ファイル共有やWebサーバーなど,サーバーに役割を設定したときには,それが使用するポートに対するアクセスが自動的に許可される。サーバー機能を追加したのに,ファイアウオールの設定を変更し忘れたため,クライアントから利用できないというトラブルを未然に防げる。


(『日経Windowsプロ』2005年2月号掲載「今から備えるWindows Server 2003 SP1」より)

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