Windows Server 2003発売開始イベント・レポート 続き


「Windows Server 2003導入相談コンサルティングサービス」店頭レポート
 マイクロソフトはWindows Server 2003の発売に合わせて,全国6店舗のパソコン・ショップで専門相談員を置いた「導入相談コンサルティングサービス」を実施する(該当サイト)。

 秋葉原の「ラオックス ザ・コンピュータ館」で行われているキャンペーンを取材した。キャンペーンが行われている6Fビジネス・フロアは,SOHOや中小企業向けのPCサーバー,ネットワーク機器,入出力機器などが中心となるフロアだ。ここで,マイクロソフトの相談員が,訪れる法人客に機能解説をしたり,導入の相談に乗ったりする。

 また,3Fのパソコン・ソフト・フロアでも,Windows Server 2003,Standard Editionのパッケージが陳列されていた。価格は,5CAL(Client Access License)のものが「11万6000円」とあるが,アカデミック版として購入する場合「4万7800円」で購入できる。10CALの場合,価格は通常版が13万7000円,アカデミック版は5万8300円である。家族に学生がいる家庭などで利用するには,手ごろな価格だ。


 マイクロソフトが,クライアント向け製品を同時に発売せず,サーバーのみを発売するというのは,今回が初めてである。今までのWindows製品の発売キャンペーンが「お祭り」であったことと比べると,地味な印象を受ける。しかし,今回のキャンペーンの狙いは,はっきりとしている。マイクロソフトが店舗に専門のコンサルタントを配置するキャンペーンを行うのは,これが初めてである。今回のキャンペーンの目的は,SOHOや中小企業などのシステム担当者に「Windows Server 2003を触ってもらう場所を設ける」ということだ。

 SOHOや中小企業などでは,システム専任の担当者がいないところも多い。こうしたところでは,β版による検証を行ったり,セミナーに出席する機会も少なく,導入して初めて新しいOSに触れるというケースも珍しくないだろう。逆に「優れた機能があることは知っているが,実際に触れてみないと分からない」という理由で,導入に二の足を踏んでいるケースもあるはずだ。今回のキャンペーンはこうしたユーザーがWindows Server 2003導入を決めるきっかけになるかもしれない。

 相談員が受けた質問としては「具体的にWindows 2000 Serverとどれくらい違うのか,新機能や改良点はどのように役立つものなのか」といった実用性を問うものが多いという。現在,Windows 2000 Serverを導入しており,Windows Server 2003に関する情報を得ているユーザーでも,Windows Server 2003が自分にとってどのくらい役立つかイメージできないことも多いのだ。

 今回,マイクロソフトではダイレクト・メールを発送し,Webサイトにキャンペーン情報を掲載する,といった告知を行っている。企業ユーザーにとっても,「システム・インテグレーターに相談する」ことに比べて「パソコンショップをのぞいてみる」ことの方が,抵抗が少ないだろう。


 また,パソコン・ショップでのキャンペーンということで,サーバー・ユーザーの裾野を広げるという目的もある。キャンペーンが行われているショップの客層は,パソコンについてある程度詳しいユーザーが中心となる。こうしたユーザーにWindows Server 2003に触れてもらうことは,サーバーに対する敷居を下げることになる。

 マイクロソフトにとっても,今回のキャンペーンは「普段は聞くことが少ないお客様の生の声を聞ける,よい機会となっている」ということである。当日行われた発表会では,パートナ企業との連携や大企業での導入事例が紹介され,Windows Server 2003は基幹業務で使えることが強調されていた。しかし,このキャンペーンを見ると,マイクロソフトはSOHOや中小企業,個人など小規模のユーザーに対しても,積極的なアプローチを行うようだ。