日本ヒューレット・パッカードは3月28日,バックアップ用テープ装置「Ultrium」シリーズの新版「HP SureStore Ultrium 215」を発表した。主にミドルレンジ・サーバーを対象とした製品。

 Ultriumは,米Hewlett-Packardと米IBM,米Seagate Technologyの3社が共同で策定したテープ規格。規格をオープン化し複数ベンダーに参入を促すことで,大容量テープ装置で最大のシェアを握る米QuantumのDLTシリーズに対抗する。

 日本HPは昨年11月,ハイエンド・サーバー向けの「同 Ultrium 230」(価格は94万円から)をすでに出荷しており,今回発売する「同 Ultrium 215」と併せてテープ装置のラインナップを拡充した。

 同製品の最大記憶容量(テープ1巻当たり)は圧縮時が200Gバイト。非圧縮時は100Gバイト。データ転送速度は15Mバイト/秒(非圧縮時は7.5Mバイト/秒)。最大記憶容量は「同 Ultrium 230」と同じだが,データ転送速度を半分にすることで,価格を70万円程度に抑えた。

 テープ装置のサイズはハーフ・ハイト(約41mm)。外付け型とサーバー内蔵型の2機種を用意した。出荷開始は4月15日。価格は内蔵型が69万円。外付け型が73万円。

 Ultrium 215の発売に併せ,テープ装置用管理ツール「TapeTools」をバージョンアップし,Web上で無償提供する。新機能で注目すべき点は,DLTテープ上のデータをUltriumテープに移行するマイグレーション機能が付属したこと。DLTからUltriumへの乗り換えを促進するのが狙いだ。

(菅井 光浩=日経Windows 2000)