A 回答 ネットワーク上の共有資源の状況を把握，管理しているマスター・ブラウザが原因です。複数のマシンがマスター・ブラウザになろうとした場合にこのようなエラーが発生します。
話を進める前に，Windowsの“ブラウザ”について説明しておきましょう。Windows95やNTではデスクトップの「ネットワーク コンピュータ」をダブル・クリックすると，ネットワーク上の資源を一覧できます。これを実現する機能がブラウザです。この仕組みの中で，ネットワーク上の共有資源の状況を把握，管理しているのがマスター・ブラウザです。
マスター・ブラウザはネットワークに接続されたマシンの中から自動的に選定されます。どのマシンがマスター・ブラウザになるかはOSの種類や役割によって決めます。この選定基準をBrowser Election Versionと呼び，OSが（1）Windows NT/2000 Server，（2）Windows NT Workstation/2000 Professional，（3）Windows95/98，の順に優先順位が高くなります。同じOSのマシンが複数台ある場合は，（1）PDC（Primary Domain Controller），（2）WINSサーバー，（3）優先マスター・ブラウザ，（4）動作中のマスター・ブラウザ，の順に優先順位が高くなります。
イベント ビューアに表示されたID 8003のエラーは，「マスター・ブラウザは自分がトランスポートNetBTXXXXのドメインのマスター・ブラウザとして認識している別のコンピュータYYYYからサーバー・アナウンスを受信しました。マスター・ブラウザが停止しているか，またはブラウザの選択中です」というメッセージです。
このエラーは，電源オフやネットワーク機器の故障などにより，マスター・ブラウザだったマシンが一時的にネットワークから切断されていたような場合に発生します。マスター・ブラウザがいなくなった場合はほかのマシンがマスター・ブラウザに昇格します。この状況でマスター・ブラウザだったマシンが再び接続すると，上記のエラーが発生します。
ただ，エラーが発生しても，マスター・ブラウザの選定作業が実施されるだけで，特に問題はありません。
なお，Windows95/98/NT/2000のデフォルトでは自分がマスター・ブラウザになれるような設定になっています。そのため，マシンを立ち上げるたびにブラウザの選定作業に参加してしまいます。あらかじめマスター・ブラウザにならないことが分かっているマシンでは，マスター・ブラウザにならないように設定することもできます。
Windows95/98では，［コントロール パネル］-［ネットワーク］-［Microsoftネットワーク共有サービス］-［プロパティ］の「ブラウズ マスター」を「無効」にします。Windows NT/2000は，レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Browser\ParametersにあるMaintainServerListの値を「No」にすれば，マスター・ブラウザにならなくなります。
ただし，マスター・ブラウザは1つのワークグループに最低1つ以上は必要になります。無効にする場合は注意しましょう。
