Q 質問 WWWサーバーのアクセス・ログに“favicon.ico”という不明なファイルへのアクセス形跡が大量に残っています。これは何でしょうか

A 回答 favicon.icoはInternet Explorer(IE)5の「お気に入り」メニューに表示するアイコン・ファイルです。

 WWWサーバーのアクセス・ログやエラー・ログを見ると,favicon.icoへのリクエストが発見できます(図2[拡大表示])。これはIE5でアクセスしたユーザーが自社のWWWページを「お気に入り」に追加したことを意味します。

図2●アクセス・ログでfavicon.icoへのアクセス形跡を調べる
favicon.icoを用意していない場合,そのファイルへのアクセス形跡が「"GET /favicon.ico HTTP/1.x" 404(Not Found)」などとして確認できる
 IE5ではWWWページを「お気に入り」に追加すると,「お気に入り」メニューなどに表示するアイコン・ファイル(favicon.ico)をWWWサーバーにリクエストします。WWWサーバーにfaivicon.icoがあった場合は「お気に入り」メニューなどにそのアイコンが使用されます(写真1[拡大表示])。なかった場合はデフォルトのアイコンを使用します。その場合アクセス・ログやエラー・ログには「404(Not Found)」や「File does not exist」などが残りますが,特に心配する必要はありません。

 WWWサーバーの管理者側からみれば,この仕組みを利用して,IE5利用ユーザーのうち,どのくらいのユーザーが自社のWWWページを「お気に入り」に追加したかを知ることができます。ただし,デフォルトでは,どのページを「お気に入り」に追加してもWWWサーバーのルート・ディレクトリにあるfavicon.icoが使われます。どのページを「お気に入り」に追加したかを知りたければ,ページごとにアイコン・ファイルの名前や場所を指定すればよいでしょう。具体的には,~の間に以下のようなタグを追加します。

   href="/icon/trouble.ico">

 このページを「お気に入り」に追加した場合は,iconディレクトリにあるtrouble.icoのアイコン・ファイルにアクセスがきます。

写真1●favicon.icoはInternet Explorer 5のアイコン用ファイル
Internet Explorer 5では,WWWページを「お気に入り」に追加すると,WWWサーバーに対してfavicon.icoをリクエストする仕組みになっている。favicon.icoがあった場合は「お気に入り」用のアイコンとして登録される
 一方,IE5のユーザーは,この仕組みにセキュリティ・ホールが発覚しているので注意が必要です。悪意のあるサイトを「お気に入り」に追加すると,ローカル・ディスクの中身を削除されたり,任意のプログラムを実行されたりする恐れがあります。修正モジュールは必ず適用しましょう(http://www.microsoft.com/japan/support/kb/articles/J048/4/43.htmを参照)。なお,修正モジュールを適用しても上記の仕組みは変わりません。    (本誌)