Q 質問 Linuxからプリンタを使おうとしましたが,設定メニューに,オフィスにあるプリンタの機種名がありません
A 回答 PostScript変換ソフトのghostscriptが対応していれば使える可能性はあります。有償のドライバも存在します。

 多くのLinuxディストリビューションは,メニュー形式で対話的にプリンタを設定できるユーティリティを提供しています(写真1[拡大表示])。設定の際にはプリンタの機種をメニューから選択しますが,例えばTurboLinux 4.5の設定ユーティリティに登録されている機種は70弱で,現存するプリンタのごく一部です。

 実はユーティリティでの設定を基に印刷データを個々のプリンタ形式に変換する実体として,ほとんどのLinuxはghostscriptというソフトを使っています。そのため,たとえ設定ユーティリティのメニューにない機種でも,ghostscriptが対応していれば使える可能性があります。ghostscriptのコマンド名「gs」で-hオプションを指定すれば,gsコマンドの使用方法とともに対応プリンタ一覧が表示されるので,そこで確認してみてください(写真2[拡大表示])。一覧に機種名がなくても,例えば最新のgsはページ記述言語ESC/Pageに対応しているため,ほとんどのセイコーエプソン製レーザー・プリンタは使えるでしょう。

写真1●プリンタ設定ユーティリティ
TurboLinux 4.xに含まれる「turboprintcfg」。登録されている中からプリンタの機種を選択する。RedHat LinuxやLASER5 Linuxなどの場合「printtool」を使う
写真2●ghostscript 5.10の対応プリンタ一覧
gs -hで使用方法と対応プリンタ一覧が表示される。man gsでさらに詳しい使い方が読める

 設定は,直接gsコマンドを使う方法に加え,設定ユーティリティから選択できるようにすることも可能です。例えばTurbo Linux 4.5では/usr/lib/rhs/rhs-printfilters/printerdbに図1[拡大表示]のような記述を追加します。RedHat系なら,ほぼ同じでしょう。

図1●RedHat,TurboLinuxでのプリンタ・データベースへの登録方法
/usr/lib/rhs/rhs-printfilters/printerdbに左記のような記述を付け加える

 ghostscriptが対応していない機種でも,有償のプリンタ・ドライバが提供されているケースがあります。例えばユニテクス・ジャパン(http://www02.so-net.ne.jp/~unitex/)ではセイコーエプソン,キヤノン製プリンタ用の,ハイパーギア(http://www.hypergear.com/)はリコー製プリンタのドライバ・ソフトウエアを販売しています。

 もちろんドライバが必要なのはLinux上のアプリケーションから印刷する場合の話です。Sambaを使ってLinuxをプリント・サーバーとして利用し,Windowsクライアントのアプリケーションから印刷する場合は,Linux側にプリンタ・ドライバ・ソフトウエアは必要ありません。  

(本誌)