データに優先順位を付けて送る

 さらに,ATMには大きな特徴があります。データに優先順位を付けて送れることです(pict.2[拡大表示])。ネットワークでやりとりするデータには,電子メールのように少しぐらい遅延があっても差し支えないものもあれば,電話の音声のように遅延が小さくなければならないものもあります。伝送路の中ではこれらのセルが混ざって送られていますが,ATM交換機は電話音声を優先的に送り出せます。

 こうしたことができるのは,ATMではセルのヘッダーに優先順位を示す符号を入れられるようになっているからです。例えば,素早く送らなければならない音声データが入ったセルのヘッダーには,優先順位が高いことを示す符号を入れておきます。

 このように,ATMはいろいろなデータを超高速で転送できるので,大容量のバックボーン・ネットワークに使われています。また,伝送路を効率よく利用できるので,低コストの専用線としても使われています。