いろいろあるWANを用途ごとに使い分ける

 一口にWANといっても,ケーブルや使用する技術の違いなどによっていろいろな種類があります(pict.2[拡大表示])。

 昔は通信といえば電話だけだったので,音声を伝えるための電話網が世界中をカバーするように作られました。

 ところが最近は,コンピュータのデータや画像などのディジタル情報も送りたいという要望が増えてきたので,それに合わせたWANが作られています。ISDNは,電話網をディジタル化していろいろな情報を伝送できるようにしたネットワークです。パケット交換網は,ディジタルのデータ通信に適しています。さらに,広帯域のテレビ映像を含むマルチメディア情報を伝えるATMエーティーエム(asynchronous transfer mode)網もあります。

 電話網やISDN,パケット網では,多数の通信相手の中から希望する一つを選んで回線をつなぐために,まず電話番号をダイヤルするという手順が必要です。ところが,決まった相手とたくさんのデータを通信するには,直通の回線でお互いを結んでおけば便利です。これが専用線です。信頼性や安全性が高いので,官公庁や企業などの重要な通信に使われています。