いろいろな同期のとり方

 1文字ずつではなく,何文字分かをまとめて区切る方法もあります。つまり,連続するデータを先頭から8ビットずつに切って,順番に見ていく方法です。この場合,正確に先頭を見極めなければなりません。

 そこで,特殊な8ビットの符号を同期用に使う「SYNシン同期方式」という方法があります。このとき使う符号を「SYN符号」といい,“0001 0110”で表します。このビット列は,すでに文字に使われている符号と重複しないように選ばれています。

 SYN符号の次からデータになります。あとは,受信側で8ビットずつ区切って文字に変換していけば文字を再生できます(pict.2[拡大表示]の上図)。データの部分にはいくつもの文字をまとめて入れられるので,調歩同期方式より高効率です。

 ただ,画像データの場合,偶然SYN符号がデータの中に現れて,誤りの元になる可能性があります。これを避けるために,「フラグ同期」と呼ぶ方式が使われます。これは,フラグと呼ぶ“01111110”という符号をブロック同期に使う方法です。フラグとフラグにはさまれた部分がデータです(pict.2[拡大表示]の下図)。

 フラグ同期方式には,データの中にフラグと同じパターンの符号が現れても間違えないような工夫が施してあります。もし“1”が5ビット続いたら,6ビット目に“0”を強制的に挿入します。こうすれば送信データの中には“1”が6ビット続くことがなくなり,フラグと間違えません。受信側では,“1”が5ビット続いた次の“0”を取り除いて元のデータを再現します。