ディジタル・データを相手に伝えるには,1や0の符号を1ビットずつ順番に送ります。ところが,文字や記号は,8ビットや16ビットといった固まり(ブロック)で構成されています。このため,ブロックの境目がわかるようにしなければなりません。ブロック単位で区切ることを「ブロック同期」といいます。ブロック同期にはいくつかの実現方法があります。

8ビット単位で区切る

 電子メールのように文字をディジタル信号で送る場合,1文字を8ビットまたは16ビットで表すのが一般的です。アルファベットと数字,記号,かな文字のように文字の数が少なければ,8ビットで済みます。例えば,数字の「1」は“00110001”,アルファベットの「S」は“0101 0011”と表せます(文字コードJIS X 0201:1997を使った場合)。これを「1S」と続けて送ると,データ信号は“0011000101010011”となって文字と文字の間の境目がわかりません。このように文字を単純に続けて送ったとき,受信側で8ビットごとの区切りを間違えると,別の文字として解釈してしまいます。

 そこで区切りが必要になります。もっとも簡単なのは,データの始まりを示す「スタート・ビット」と終わりを示す「ストップ・ビット」を一文字ごとに追加する方法です(pict.1[拡大表示])。この方法は,「スタート・ストップ方式」または「調歩同期方式」と呼ばれます。簡単な半面,8ビットのデータを送るのに余分な2ビットを合わせて送るので,効率が悪くなります。このため,比較的低速のデータ伝送に使われます。