光信号はガラスの線で送る

 光の信号も,情報を送るのに利用できます。この場合,光をよく通すガラスで作った細い線を使います。これが光ファイバ・ケーブルです。

 通信用の光ファイバは,髪の毛ほどの細い石英ガラスで作ります。光ファイバは2重構造になっていて,中心部分(コアと呼ぶ)は屈折率が高く,周りの部分(クラッドと呼ぶ)は屈折率が低くなっています。このように屈折率が内と外で違うために,コアの部分に入った光は,クラッドとの境界面で全反射して外部に漏れません。このしくみによって,長距離でも伝えられるのです(pict.2[拡大表示])。

 光ファイバはきわめて純度の高い透明なガラスで作ります。その中を通る光はなかなか弱くなりません。15kmの光ファイバを通して光の強さがやっと半分になるくらいです。このため,銅線のケーブルに比べて,ずっと長い距離でも信号を伝送することができます。また,周波数の高い信号が減衰しないことも大きな特徴です。

 このように光ファイバには銅線のケーブルにはない優れた利点があるため,現在では中・長距離の高速伝送路には,ほとんど光ファイバ・ケーブルが使われています。