UNIXのしくみをじっくりと学ぶ前に,ちょっとだけつまみ食いをしてみよう。基本的なコマンドを使って,UNIXの概要を体感しようというわけだ。そこでナビゲート役として,UNIX博士とビギナーくんの二人に登場していただこう。バリバリのUNIX使いである博士に教わりながら,今日初めてUNIXを触ることになったビギナーくんに操作してもらう。

ログインという儀式で始まる

UNIX博士(以下,博):まずはUNIXマシンの電源を入れよう。

ビギナーくん(以下,ビ):スイッチ・オンと(1)[拡大表示]。なんか英語の文字がでてきました。“kernel”がなんとか…(2)[拡大表示]。

博:今まさにUNIXが立ち上がろうとしているんだ。ちなみに,カーネルとはUNIXの本体のことだよ。

ビ:UNIXならではの呼び名ですね。あ,画面が止まりました。いよいよコマンドが試せるんですか?

博:待て待て。最初にユーザー名とパスワードを入力するログイン操作が必要だよ(3)[拡大表示]。

ビ:そういえば,Windowsでもログイン操作しないと使えないパソコンが社内にありましたね。でもどうしてわざわざログインなんてするんですか。

博:それは,UNIXがマルチユーザー環境を前提にしたOSだからだよ。ビギナーくんが使っている最中に,ほかの人がログインすることもできるんだ。ではログインしよう。

ビ:はい。あれ? 左端に“%”と1文字出てきただけですよ。

博:これでいいんだ。“%”はプロンプトと言って,コマンド入力を受けつけられる準備が完了したことを表しているんだ。