インターネットでは遅延が発生

 電話網やISDNでは,交換機が回線をつないでから情報をやりとりします。このため,回線数を超えた通信はできません。

 その一方,インターネットのようなパケット通信では,一つのパケットが一つの回線を占有することはありません。通信先の異なるパケットが一つの回線を共有するので,物理的な回線数は関係ないのです。

 パケットが増えて回線が込んでくると,パケットをいったんメモリーに蓄積し,回線が空くまで待ちます。このため,輻輳が起こると遅延時間が増加します(pict.2[拡大表示])。

 遅延時間が大きくなり過ぎると,そのパケットは消去されてしまい,相手まで届きません。このため,データ通信ではたいてい,届かなかったパケットをもう一度送り直すようにします。

 電子メールなどの場合は,遅延時間が増えてもあまり問題にはなりませんが,電話のようなリアルタイム通信では品質低下の原因になります。こうした理由で,インターネット電話でネットワークが込んでくると,音質が悪くなったり遅延が大きくなって話しにくくなったりします。