つながっているのに通信できない
サブネット・マスクの役割を理解するために,ちょっとした実験をしてみよう。2台のパソコンと1台のリピータ・ハブを用意する(図2[拡大表示])。2台のパソコンで閉じたネットワークを作り,ping(ピング)コマンドを使って通信できるか試してみる。
IPアドレスを正しく設定すると,2台のパソコンは問題なく通信できる(図3[拡大表示])。pingコマンドを実行すると,どちらのマシンもリプライが返ってくる。
次に片方のIPアドレスやサブネット・マスクを変えてみる。
まず実験1ではIPアドレスだけを変えてみた。もちろん重複はしていない。この場合,どちらからも相手パソコンが見えなくなる。pingコマンドを実行すると,「Destination Unreachable」(到達不可能なあて先)と表示される。これはパケットの送り先がわからないという意味だ。
実験2では,サブネット・マスクだけを変更してみた。この場合も通信に失敗する。ただし,結果は実験1とは少し違う。変更した方のパソコンは「Unreachable」と表示したが,変更しなかった方は「Request timed out」(時間内に返答がなかった)となった。これは,パケットの送出には成功したが,設定時間内に返答パケットが戻ってこないという意味である。
整理すると,実験1ではどちらのコンピュータも相手が見えていないのに対し,実験2では片方からは相手が見えているという状態になった。