パルスの波形を途中で整形する

 パルスをケーブルで伝送すると,距離が長くなるにつれて減衰して振幅が小さくなると同時に,高周波成分が通りにくいためパルスの幅が広がってなだらかな波形になってしまいます。光パルスの場合でも,光ファイバの分散という現象のためにパルス幅が広がります。

 パルスの幅があまり広がると,隣のパルスとの区別がつかなくなって,“1”と“0”を誤って判定しかねません。そこで,ディジタル伝送路では,途中に中継器を入れて信号を増幅するとともに,もう一度きれいなパルスに作り直して伝送するようにします(pict.2[拡大表示])。

 ディジタル伝送では,ケーブルの途中に一定の間隔で中継器を入れることにより,その都度新しいパルスを作り直すので,長距離区間で伝送しても品質が悪くなりません。

 一方,アナログ信号の中継では,信号を単に増幅するだけなので,途中で雑音が加わったり波形が歪んだりすると,それがそのまま修正されずに伝わってしまいます。このため,長い距離を伝送すると,どうしても品質が悪くなってしまいます。長距離伝送でも品質が悪化しないのは,ディジタル伝送の大きなメリットです。