ネットワークを使っている最中に通信できなくなって困った経験はだれにでもあるもの。原因探しにやっきになっても,雲をつかむようで途方に暮れてしまう。ネットワーク管理専用のソフトがあればいいが,そうしたソフトは高価で,だれもが使えるものではない。そんなとき,フリーソフトに目を向けてみよう。ネットワークを調べるのに重宝するフリーソフトが結構たくさんあるのだ。

 Webサーバーにアクセスしてもなかなかレスポンスがない──。このようにネットワークの速度が遅くなったと感じたときに,実際のネットワークの速度がどれぐらいなのか調べるフリーソフトがある。例えば,『Line Speed Tester』というソフト。これは,Webサーバー上にあるJPEG方式の画像ファイルを実際にダウンロードし,その時間からネットワークの速度を測定できる。ファイルの大きさをダウンロードにかかった時間で割り算してネットワークの実行速度を計算するのである。結果は画面上にkキロビット/秒とMメガビット/秒の両方で表示してくれる。

 JPEGファイルはURLで指定するので,URLがわかるならどこのWebサーバーを指定してもいい。同じLAN上にあるWebサーバーだけでなく,ルーターを越えた先のセグメントやさらにその先のインターネット上にあるWebサーバーとの間のスピードも測れる。LAN上のWebサーバーとの間で調べれば,純粋にLANのスピードを測定できる。一方,対象が別のセグメントやインターネット上にある場合だと,ルーターを何台か通過しているので,LANのスピードではなくそのWebサーバーとの間のスループットを測ることになる。

 使い方のポイントは,定点観測するWebサーバーの場所を決めておき,これらとのスピードを定期的に測ることだ。測定するWebサーバーを決めておかないと,いつもより速いのか遅いのか判断できないからだ。

 なお,LANのスピードを測るフリーソフトの中には,LAN上を流れる生のトラフィックをリアルタイムに測るタイプのものもある。刻々と変わるトラフィックやその変わるようすを知りたい場合には,こちらのタイプのソフトも併用すると効果的だろう。

高田 学也

関連リンク
『Line Speed Tester』のサイト