通信の基本は,多数の人の中から一人だけ相手を選んで,情報を間違いなく送り届けることです。正しい通信相手を選び,その相手に情報を送り届けるためにデータなどの情報信号を中継・交換するのが,交換機やルーターです。交換機は電話網やISDNで,ルーターはインターネットで使われています。

交換機が相手の回線を選んでつなぐ

 電話をかけるときのことを考えてみましょう。電話番号をダイヤルすると,相手が話中でなければ,数秒以内に相手を呼び出す信号音が聞こえます。相手が受話器を取り上げると,回線がつながって「もしもし」,「はいはい」と話ができるようになります。このように電話で相手と通話できるように回線をつなぐのが交換機の仕事です。

 電話網の中では,送られてきた電話番号に基づいて,交換機が多数の回線の中から一つを選びます。そして,スイッチを切り替えることで,相手まで回線をつなぎます。交換機で回線をつなぐ方法を「回線交換」と呼びます(pict.1[拡大表示])。

 回線交換のように,まず相手との間に回線を確実につなぎ,その回線を使って情報を送る通信方法を「コネクション型」通信と呼んでいます。「コネクション」とは「接続」の意味です。つまり,相手まで1本の回線がつながっている,ということを表しています。

 電話のように,通信時に常に情報をやりとりするような通信には回線交換が適しています。そのかわり,その回線は二つの端末間の通信に占有されてしまいます。このため,送る情報がないときは回線は遊んでしまい,ムダになってしまいます。