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1週間で学ぶネットワークの要点

TCP/IPの全体像を理解する 第1回

水野忠則・佐藤文明 2002/09/19 日経NETWORK
出典:日経NETWORK2001年4月号132ページ
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

水野 忠則 静岡大学情報学部情報科学科教授
佐藤 文明 静岡大学情報学部情報科学科助教授

 今回から約1年間,TCP/IPの基本的な技術をじっくりと説明していきます。まずはTCP/IPの概要を解説しましょう。

応用層から受け取ったデータを転送する

 TCP/IPの基礎となる技術は1970年代の初頭,米国防総省の研究所「ARPAアーパ」で生まれました。研究所内に構築されたパケット交換ネットワークARPANETアーパネットのために開発されたプロトコル群がそれです。TCP/IPの普及が本格的に始まるのは1980年代,UNIX OSで動作するワークステーションが大型計算機にとって代わり始めた時代です。UNIXはTCP/IPを標準の通信プロトコルにしていました。

 TCP/IPは,パケットの再送処理やフロー制御を行うTCP(Transmission Control Protocol)と,パケットを適切な経路を使って転送するIP(Internet Protocol)に分かれます。それぞれの機能をOSI基本参照モデルに当てはめると,トランスポート層(第4層)とネットワーク層(第3層)に該当します。

 TCPの役割は通信の品質を保証することです。TCPはトランスポート層の上位で動作する電子メールやファイル転送といった応用層のプロトコル群からデータを受け取り,データを誤りなく効率的に相手先に転送できる形でIPに託します。IPは適切なネットワークを経由して相手先にデータを送り届けます。IPには伝送媒体の違いを吸収し,上位層に意識させない役割もあります。

 TCPと関連するプロトコルに,UDP(User Datagram Protocol)があります。TCPは通信に先立ってコネクションと呼ばれる仮想的な通信回線を確立して通信品質を保証します。UDPはコネクションを持たず,誤り制御を行いません。IPの機能をそのまま応用層に見せるためのプロトコルといえます。信頼性は落ちますがコネクション確立が不要なので負荷が軽くなる利点があります。TCPとUDPは用途に合わせて使い分けられています(pict.1[拡大表示])。

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