ネット上にあるすべてのマシンのIPアドレスとMACアドレスを把握しておくのは,ネットワーク・トラブルを解決するときの基本だ。しかし,マシンはネット上に増えるばかり。常に最新の状況を把握しておくのは難しい。そこで,LANにつながるマシンのIPアドレスとMACアドレスを手軽に調べるテクニックを紹介しよう。

 IPアドレスとMACアドレスを確認するのに一番簡単なのは,パソコンのARPテーブルと呼ばれるものを調べる方法である。ARPテーブルは,最近通信した相手のIPアドレスとMACアドレスの対応表。マシンがIP通信をした際には,その対応表を一定時間保持する機能を持つ。その機能を利用すれば,LANにつながるすべてのマシンのアドレスを調べられる。

 それではまず,実際にARPテーブルを見てみよう。Windows 98/Me/2000などのコマンド・プロンプトから,

arp -a

と入力すれば,最近に通信したマシンのIPアドレスとMACアドレスが表示される。つまり,LAN上のすべてのマシンと通信したあとにARPテーブルを表示させれば,目的のIPアドレスとMACアドレスの対応表を入手できるわけだ。

 IPを使って特定のマシンと手軽に通信するコマンドにpingがある。目的のマシンと正常に通信できるかどうかを調べるコマンドである。例えば,IPアドレスが192.168.10.1というマシンにpingコマンドを実行するには,コマンド・プロンプトから,

ping 192.168.10.1

と入力する。これを,LAN上のマシンすべてに実行してARPテーブルを表示すればいいわけだ。

 ただ,LAN上のすべてのパソコンに手動でpingコマンドを入力するのは大変。そこでWindows2000やXPは,IPアドレスの範囲を指定して一気にpingコマンドを実行できるようになっている。

for /L %f in (1,1,254) do ping -n 1 192.168.10.%f

というコマンドを打ち込めばいい。このコマンドは,192.168.10.1~254のマシンに対して,順番にpingを実行するコマンドである(残念ながらWindows98やMeにはこの機能はない)。自分の所属するサブネットの範囲にpingを実行して,そのあとにARPテーブルを表示させれば,そのサブネット上で動作しているマシンのIPアドレスとMACアドレスの対応表を表示させることができる。

 また,広範囲にpingコマンドの送出するときは,pingを自動化するフリーソフトを使う方法もある。コマンドを入力することなく,GUIの操作で指定した範囲のマシンにpingを実行できるので,初心者はこういったツールを使うのも手である。

半沢 智

関連リンク
自動ping送出ソフト「ExPing」