ビット・エラーが起こったらどうする?

 ビット・エラーを完全に防ぐのは不可能です。しかし,あまりエラーが多いと情報を正確に送ることができないので,できるだけ少なくすることが重要です。

 電話では,ビット・エラーが起こっても,音声に“カリッ”という音が入るくらいでほとんど気になりません。映像の場合,画面の一部が乱れたりしますが,ひんぱんに起こらなければ許容できます。一方,電子メールのように文字などを符号に変換して送るデータ通信では,1ビットでも誤ると文字化けが起こるので困ります。

 ビット・エラーの頻度は,「エラー・レート」(符号誤り率)で表します。一般の通信回線のエラー・レートは,10-6(100万ビットに1個の誤り)以下と規定されています。実際にはもっと少なく,およそ10-8(1億ビットに1個の誤り)以下です。

 音声や映像ならこの程度で十分ですが,もっとエラーをなくしたい場合には,データにエラーが発生したかどうかを調べます。エラーを調べやすいように,データをかたまりにして,エラーをチェックするための情報を付加して送ることがよくあります。

 エラーを見つけたらどうするのでしょうか。二通りの方法があります。一つは,エラーを起こしたデータをそのまま使うか,捨ててしまうというものです。処理に手間がかからないため,音声や映像のようなリアルタイム通信に向いています。もう一つは,もう一度データを送ってもらう方法です(pict.2[拡大表示])。これは伝送遅延があってもかまわないデータ通信の場合に使える手法です。