つながらない,突然遅くなった,なぜか不安定--。日ごろネットワークを使っていれば,このようなトラブルは日常茶飯事だ。そこで日経NETWORKでは,読者などを対象にアンケートを実施し,ネットワーク・トラブルの実態を探ってみた。その結果,トラブルの原因は,ハブやLANアダプタなど,ユーザーに身近なところに多いことがわかった。

 アンケートでは1808人から回答を得た。このうち,勤務先または顧客のネットを運用・管理している983人の回答を調査対象にした。ここでは,結果のいくつかを紹介しよう。

 まずはじめに聞いたのがネット・トラブルの経験の有無。これは,9割近くの人が「経験あり」と答えた(89.2%)。ほとんどのネット管理者がなんらかのネット・トラブルを経験していることになる。ネット管理者はトラブルと切っても切れない関係にあるのだ。

 次に,トラブルを経験したことがあると答えた人に,トラブルの頻度とトラブル時に困ることを聞いてみた。すると,5割以上の人が1カ月に1回以上のネット・トラブルに見舞われていた。トラブルに直面したときに困ることで最も多かったのが,「原因がわからない」(69.7%)。トラブルのたびに,原因を突き止めるための切り分け作業に苦労する姿が浮かび上がる。

 トラブル経験者には,トラブルの原因も聞いてみた。すると,8割近くの人が「ハブやルーターなどのネット機器」と答えた(76.3%)。では,ネット機器の中でもっともトラブルが起こりやすいのはどれだろうか。一番多かったのが「ハブ」(62.2%)。そして,LANアダプタ(37.4%),「LANスイッチ」(35.7%)と続いた。こうして見ると,エンドユーザーに近いところにある機器ほど,トラブルの原因になりやすいことがわかる。機器のトラブルは,身近なところから疑ってみるといいだろう。

 ネット機器に次いで多かったトラブルの原因は,「LANケーブルと配線」(60.0%)。具体的には,LANケーブルが抜けていたり,ループ状に接続してしまったなど,ちょっとしたミスが多い。機器同様,こちらの原因も身近なところにあるようだ。

半沢 智=日経NETWORK)