音声や映像にはパケットの揺らぎも問題

 インターネットでは,情報信号はすべてパケットの形で転送されます。音声や映像信号もディジタル信号に変換した後,パケットにして一つずつ一定の周期で送り出します。

 回線が空いていればパケットはスイスイと送られます。ところが,回線が混んでくると,途中でパケットをメモリーに入れて,空くまで待ってから送らなければならないため,遅れが出てしまいます。回線の混み具合は時々刻々と変化するので,パケットの遅れも常に変化しています。この結果,パケットはバラバラの時間間隔で到着するのが普通です。このパケット伝送の遅延時間の揺らぎは,ジッターやワンダーよりもはるかに大きくなります。

 電子メールのように,文章全体が到着してからゆっくり取り出して読むことができる場合は,このような遅延時間の揺らぎはあまり問題になりません。しかし,音声や映像のようなリアルタイム情報の場合,揺らぎによって品質が悪くなるので大問題です(pict.2[拡大表示])。このため,パケットをいったんメモリーに蓄積してから正しいタイミングで取り出して,もとの信号を復元しなければなりません。