ディジタルを元のアナログに戻す

 ディジタル化された信号から,「1」と「0」の組み合わせで決まる電圧の値を再構成して,時間間隔ごとに並べて次々に結んでいくと,元のアナログ信号が復元できます(pict.2[拡大表示])。

 符号化の際のビット数を多くすればするほど,再生したアナログ信号と元のアナログ信号との誤差は小さくなります。しかし,あまり多くすると,伝送するときのビット・レートが高くなって不経済です。このビット数はアナログに戻したときの信号の品質に応じて,決められます。

 今回紹介した標本化と符号化は,電話でどう使われているのでしょう。電話は最大4000Hzの周波数で音声情報を伝えます。このため,電話音声の標本値は,4000×2=8000Hzの周期で,つまり1秒間に8000個取り出せばよいことになります。また,一つの標本値は8ビットで符号化すると国際的に決まっています。この結果,ビット・レートは8000個/秒×8ビット=64000ビット/秒(64kビット/秒)になります。