Webサーフィンで気になるのが,Webページが完全に表示されるまでにかかる時間が長いこと。たいていテキストはすぐに表示されるが,画像は時間をかけて徐々に現れてくる。表示に時間かかると,気になる内容でも待ちきれなくなって別のWebページを開いてしまったりする。こんなとき,Webページの先読みツールを試してみたい。

 Webページの先読みツールは,次にクリックするWebページを先読みするWebブラウザ向けの付加ソフトのこと。「WebFetch」や「先読みWarp」などがある。ユーザーがWebページを閲覧している間に,リンク先のWebページを先読みしてパソコンに取り込んでおく。ユーザーがWebページの閲覧を終え,そのリンク先をクリックすると即座に先読みしたデータを画面表示する。この結果,Webページの表示速度が速くなったように感じるわけだ。

 先読み機能は,Webブラウザが備えているキャッシュ機能を活用したもの。キャッシュは通常,ユーザーが一度見たWebページのデータをハードディスクに保存し,次に閲覧するときに使う。例えば,Webブラウザの「戻る」ボタンを押すと直前に見たWebページが素早く画面表示されるのは,Webブラウザがキャッシュに保存したデータを表示するからだ。

 先読みツールは,一度クリックしたデータを保存するのではなく,これからユーザーが見るであろうWebページをキャッシュに保存するのである。ツールが先読みするWebコンテンツは,現在ユーザーが見ているWebページのリンク先ページ。HTMLデータに書き込まれているリンク先ページを片っ端から先読みする。ツールによっては,読み込むファイルの種類などを設定できる。

 先読みツールを使うときは,Webブラウザのキャッシュがうまく働くように設定しておかなければならない。Webブラウザは,キャッシュをどのタイミングで働かせるのか設定できるが,その設定が「ページにアクセスするたび」(NetscapeNavigator6.0の場合)や「ページを表示するごとに確認する」(IE5.0の場合)になっていると先読みの効果が出ない。これら以外の設定になっていればよい。

 ただし,キャッシュ・データばかりを見ていると,Webサーバー側で更新しことに気づかないこともある。このため,キャッシュを使わずにWebサーバーから直接データを読み込む「スーパーリロード」を組み合わせて使うのがいいだろう。普段は先読みツールを活用し,「この内容,ちょっと古いかな」と感じたらスーパーリロードを使うわけだ。スーパーリロードは,Netscapeなら「Shift+再読み込み」,IEなら「Ctrl+更新をクリック」(どちらもWindowsの場合)で実行できる。

半沢 智

関連リンク
IE用とNetscape用がある「WebFetch」
先読みしたサイトをツリー表示する「先読みWarp」(シェアウエア)
Webブラウザ一体型の「MSK Internet Browser」