ショッピング・サイトなどで一度買い物をしたら,次回からは名前や住所といった情報を入力しなくても済むことが多い。こうした便利なしくみを実現しているのがCookieである。ただ,Cookieは,個人を特定する情報が含まれているため,扱いには注意が必要だ。そこで必要になるのが,受け入れたCookieの内容を調べるテクニックである。

 Cookieは,Webサーバーがアクセスしてきたユーザーを特定するために使うテキスト・データである。WebブラウザがWebサーバーに最初にアクセスしてきたときに,サーバーからブラウザに送られる。Cookieにはユーザーを特定するための情報がテキストで書かれており,その内容はユーザーごとに違う。2回目以降のアクセス時にこうしたCookieをやりとりすることで,Webサーバーはアクセスしてきたユーザーを特定するわけだ。

 ただ,ユーザーを特定するという点には危険性もある。もしCookieが盗まれると,他人になりすまされる可能性があるからだ。また,Cookie自体に個人情報そのものが書かれていることもあり,こうした情報をやりとりするのも危険である。このことから,Cookieの発行元が自分の信頼できないWebサイトだったり,Cookieにクレジットカード番号や電話番号といった個人情報が書かれていたら,そのCookieは受け入れない方がよい。

 そこで便利なのが,受信したCookieの内容を簡単に確認できるテクニックである。

 やり方は簡単だ,Webブラウザのアドレス欄に「javascript:document.cookie;」という文字列を入力するだけである。すると,今,アクセスしたWebサイトから受信したCookieの内容がブラウザ画面に表示される。確認した結果,そのCookieを受け入れたくなければ,削除してそのWebサイトからCookieを受け入れないように設定すればよい。

 さらに,このCookie表示スクリプトをInternetExplorer(IE)の「お気に入り」に登録しておくと重宝する。登録方法は,通常のお気に入り登録と同じ。Cookie表示スクリプトをアドレス欄に入力してCookieを表示したら,IEの「お気に入りメニュー」にある「お気に入りに追加」を選べばよい。すると,「javascript:document.cookie;」という名前のリンクが登録される。このリンクを選択すれば,スクリプトを手入力したときと同じように,今使っているCookieが表示される。

 リンクの名前を「Cookieを表示」などに変えておけば,リンクの意味もわかりやすくなる。さらに,このリンクをリンク・フォルダに移しておけば「Cookieを表示」と書かれたボタンがIEのリンク・バーに表示されるようになり,このボタンをクリックするだけでCookieの内容を検証できるようになる。

半沢 智