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ADSLを速くする奥の手「ブリッジタップ外し」とは?

2003/04/28
半沢智

 「ノイズ・フィルタを入れたけどADSLの速度が出ない」,「冷蔵庫や電子レンジからADSLモデムを離して置いたけど速度が上がらない」,「ADSL専用ケーブルに取り替えたけど思ったほど効果がない」――。このようにADSLの速度に不満を持つユーザーは多いだろう。でもあきらめるのはまだ早い。ADSLのノイズ対策の「奥の手」とも言えるブリッジタップ外し工事という手段があるからだ。そこで今回は,実際にブリッジタップ外しの工事に密着した。

 そもそもブリッジタップとはなんなのか,まずそこから押さえておこう。

 ブリッジタップとは,電話ケーブルが電柱で枝分かれしている部分のこと。普段私たちが利用している電話ケーブルは,2本の銅線が電話局までつながっているのだが,回線によっては銅線が途中で分岐していることがある。この分岐して使われていないケーブル部分のことをブリッジタップと言う。

 このブリッジタップがADSLの速度低下の原因になることがある。分岐点で信号が減衰したり,枝分かれしたケーブルに流れ込んだ信号が反射してノイズになったりするからだ。

 では,ブリッジタップを取り除く工事の手順を追ってみよう。

 工事の担当者は,指定した時間にユーザー宅にやってくる。そこでまず回線状況を調査する。ただし,調査といってもアナライザなどの機器は使わない。私たちが普段使っている速度測定サイトを使ってスループットを測るのである。ユーザー宅のパソコンまたは工事担当者が持参したノート・パソコンを使ってスループットを数回測り,その平均を工事前のスループットとみなす。今回のケースでは2.06Mビット/秒だった。

 スループットを測ったら工事に入る。電柱の上には接続端子函(せつぞくたんしかん)とよばれる黒い箱がある。ブリッジタップの分岐点はこの接続端子函の中にあるので,工事担当者は電柱に登って作業することになる。どの電柱に登ればいいかは,事前の調査でわかっている。

 接続端子函は,電柱を登ったすぐ横にある。箱を開けると,中には色とりどりの銅線が詰まっていた。そこから,分岐したケーブルを探し出す。ケーブルを分岐させる方法は,手ひねり接続とコネクタ接続という二つがあり,いずれも分岐部分の銅線に処置が施してあるので,箱を開ければすぐに見つかる。

 分岐部分が見つかったら,いよいよブリッジタップ外しの本番である。工事担当者は,接続端子函からユーザー宅につながる銅線を引き出した。するとそこには,手ひねりタイプの分岐点が見つかった。分岐部分に被せてある保護材を外し,銅線のひねりをほぐして3本の銅線それぞれの行き先を確認する。この3本のうち,使われていない銅線がブリッジタップである。ブリッジタップが見つかったら,銅線が分岐している根元をニッパで切る。これでブリッジタップ外しの工事は完了である。

 屋外での工事を終えた工事担当者は,ユーザー宅へ戻り工事の結果を告げる。そして,最後の作業である工事後のスループット測定に取り掛かる。工事前の測定と同様,工事後も速度測定サイトでスループットを3回測定する。スループットは2.72Mビット/秒だった。工事前の速度が2.06Mビット/秒だったから,約660kビット/秒もスループットが上がったことになる。

 今回はブリッジタップを1個外したので,工事費は2万2200円だった。ユーザーが書類にサインをして終了である。

 ブリッジタップ外しの工事にはそれなりの料金がかかる。ただし,ブリッジタップがあるかどうかを調べてもらうだけなら無料でできる。「少しでもADSLの速度アップを」と思っているユーザーは,まず自分の回線を調べてみてはどうだろうか。

半沢 智
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