WebブラウザのURL入力欄に「○X商事.jp」と入力すれば,その会社のWebサイトが表示される――。このように,日本語をドメイン名として使える日本語ドメイン名。その登録受付が始まって早2年近くが過ぎた。暫定的な方法で使えるようになってはいるが,実はまだ標準化作業の途中で,仕様が固まっていなかった。それがついに標準化される。日本語ドメイン名が本当に使えるようになるのはいつなのか。今回はそのあたりを見ていこう。

 インターネット関連の各種規格を決めているIETF(Internet Engineering Task Force)は10月24日,日本語を含む各国の言語をドメイン名として利用するための規格「国際化ドメイン名」を標準文書RFC(request for comments)になることが発表された。正式なRFCとなるのは2003年1月の見込みである。

 このRFCが規定するのは,日本語などの文字を半角英数字などのASCII文字に変換する方法である。その中心は「Puny code」という文字の変換方式だ。しかし,Puny Codeだけでは不十分。実は国際化ドメイン名は,各言語のドメイン名を「xx--(変換されたASCII文字列).jp」のように変換するのだが,xxとした最初のアルファベット2文字(識別コード)がまだ決められていないのである。

 これを決めるのは,全世界のドメイン名を管理している大もとの組織であるIANA(Internet Assigned Numbers Authority)で,RFCの発行とほぼ同時に,この部分が決まる見通しだ。

 これを待って,各ソフト・ベンダーが国際化ドメイン対応のWebブラウザの開発に着手することになる。早ければ2003年春ころに,まずはプラグイン・ソフトでPuny Codeに対応したWebブラウザが登場しそうだ。

 また,ドメイン名を管理するDNS(domain name system)サーバーでも,移行作業が必要になる。現状,暫定仕様で動いている日本語ドメインがあるからだ。JPドメインを管理するJPRSのDNSサーバーばかりでなく,一般企業が暫定版の日本語ドメイン名を登録しているDNSサーバーでも,移行作業が必要。JPRSでは,そのための移行ツールを用意する予定である。

 2003年夏ころには,Internet ExplorerなどのWebブラウザが標準でPunycodeに対応してくるだろう。圧倒的なシェアを持つIEが対応すれば,日本語ドメイン名の普及・浸透に勢いがつくことになりそうだ。

塗谷 隆弘