電話,携帯電話からADSL/CATVまで,インターネット接続の回線はさまざまある。自分のネット環境を改善したとき,実際の通信速度がどの程度速くなったかを知りたくなるものだ。こうした疑問を解消するWebページが増えている。名づけて“実効速度計測サイト”。アクセスしただけで,そのときの実効速度を計測・表示してくれるWebページである。

 回線の実効速度を測定する方法としてすぐに思い浮かぶのは大容量のファイルをダウンロードし,その時間を自ら測る方法。たとえば,MicrosoftのサイトからInternet Explorerのインストーラ・ファイルなどをダウンロードしてその時間を測る。ただ,この方法は手軽さに欠けるし,インターネットの帯域を無駄遣いしているようでちょっと後ろめたい。

 計測サイトを使うと,手軽に実効速度を知ることができる。基本原理はこうだ。ユーザーが計測サイトにアクセスすると,JavaScriptで記述されたプログラムをヘッダー部分に埋め込んだHTMLファイルがダウンロードされる。このプログラムがHTMLファイルの本体部分のダウンロード時間を測定し,ダウンロードしたデータ量を測定結果で割った答えを画面表示するのである。JavaScriptの使用を前提としているため,測定前にはJavaScriptの利用をオンにしておく必要がある。

 HTMLファイルには画像などのバイナリ・データが含まれている。全体のファイル・サイズを増やして測定誤差を減らすためだ。データ量は数十K~1Mバイト程度。サイトによってはダウンロードするデータのサイズを選べるところもある。データのサイズが大きいほど測定に時間はかかるが,誤差は小さくなるはずだ。

 ただし,インターネットの実効速度はさまざまな要因の影響を受けるので安定していない。サイトまでの経路(IPパケットの通り道)の混雑具合で表示結果はまったく違うものになる可能性は十分ある。また,普段アクセスするサイトへの経路と計測サイトの経路はたいてい違うので,計測サイトの結果が通常の体感速度と一致しないケースもあるだろう。もちろんWebブラウザを動かすマシンの処理性能の影響も受ける。画面上に表示された計測結果は,あくまでも一つの目安と理解すべきだろう。

 それでも,たいていの場合はそれなりに納得のいく結果が出る。参考までに,手近なところで試した計測結果の例を紹介しておこう。

56kモデム(40kビット/秒程度で接続):30k~33kビット/秒
PHS(64kビット/秒):40k~44kビット/秒
ISDN(64kビット/秒):40k~61kビット/秒
ADSL(下り1.5Mビット/秒):478k~1068kビット/秒
CATV(下り10Mビット/秒):212k~852kビット/秒

 さて,あなたの環境と比べていかがだろうか。

山田 剛良

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