ディジタル信号の送り方には,パラレル伝送とシリアル伝送の2種類があります。「パラレル」は並列,「シリアル」は直列の意味です。装置内部ではパラレル伝送,装置間をつなぐ伝送路ではシリアル伝送がよく使われています。

シリアルでは文字の間に切れ目が必要

 シリアル伝送では,各ビットが連続して送られるので,そのままではキャラクタごとの境目がわかりません。このため,キャラクタの先頭のビットが分かるように「切れ目」を入れます(pict.2[拡大表示])。

 いちばん簡単なのは,キャラクタごとに先頭と末尾を示すビットを付けて送る方法です。この方法は「調歩同期」と呼ばれ,低速のデータ伝送やパソコンと周辺機器をつなぐケーブルでの伝送などに使われています。

 しかし,この方法はキャラクタごとに余分なビットを付加するため,全体のビット数が増えて効率が低くなります。そこで,いくつかの文字分をまとめて,その先頭と末尾を示す符号を付けて送ることが考えられます。こうした方法に「フラグ同期」と呼ばれる伝送方式があります。フラグ同期は効率が高いので,大量のデータを送る必要がある高速データ伝送に使われています。文字以外にも画像などいろいろな情報を送ることができるので,現在もっとも多く利用されている伝送方式です。