サービスの提供者が、利用者に対して、サービス品質を保証する契約が「SLA(サービス品質契約)」です。主に、法人向けのネットワーク接続サービスや、システム運用のアウトソーシングサービスで活用されてきた契約形態です。

 例えば、ネットワーク接続サービスの場合は、ネットワーク回線の最低通信速度を保証します。システム運用では、保守などでシステムが提供するサービスを停止する時間が、全運用時間の1%以下といったような契約形態になります。

 保証する品質を維持できなかった場合には、課金を安くするといったように提供者側にペナルティーが発生する契約内容が本来の意味でのSLAですが、保証品質を維持するように最大限の努力するといった「ベストエフォート型」の契約をSLAと呼ぶ場合もあります。

 最近では、企業のシステム部門が利用者である業務部門に対して、SLAの形式でサービス内容を保証する例も増えています。障害回復時間を規定したり、システム応答時間を保証するようなケースです。

 SLAのような契約を結ぶ場合、サービスの提供者には、品質を常時監視する体制や仕組みを構築することが求められます。こうした体制・仕組みは「SLM(サービス品質管理)」と呼ばれています。

吉川 和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp